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2008年10月8日

「ファンのみんなもボクと秋山との対戦が観たいんじゃないかな?」
DREAMミドル級王者ゲガール・ムサシインタビュー

9・23『OLYMPIA DREAM.6 ミドル級グランプリ2008 決勝戦』(さいたまスーパーアリーナ)、準決勝戦でメルヴィン・マヌーフを、決勝戦でホナウド・ジャカレイを破り、初代DREAMミドル級王者となったゲガール・ムサシにインタビュー。今後の抱負を語ってもらった。【取材日:2008年9月24日】

■「メルヴィンに勝ったときに、“優勝は間違いない!”と確信したんだ」

──ミドル級グランプリ2008優勝、おめでとうございます!
ムサシ ありがとう!
──一夜明けた今の気分はいかがですか?
ムサシ とてもいい気分だよ。でも、オランダに戻ったらもっともっと実感が湧いてくると思う。早くオランダに戻って家族や友達とこの喜びを共有したいね。
──デニス・カーン選手、ユン・ドンシク選手、メルヴィン・マヌーフ選手、ホナウド・ジャカレイ選手を破っての優勝。改めて振り返ってみていかがですか?
ムサシ 開幕戦の前から優勝する確率は高いだろうと思っていたんだ。たくさん練習をしたし、家族やチームメイト、友達のサポートも受けていたからね。1回戦のデニス・カーン戦、2回戦のユン・ドンシク戦と、勝ち上がっていく度に、その自信はより大きくなった。そして準決勝のメルヴィン・マヌーフ戦に勝ったときに、「優勝は間違いない!」と確信したよ。
──決勝戦前に優勝を確信したと?
ムサシ うん。メルヴィンの攻撃は非常に危険で、パンチも強いし、ダメージを受ける可能性があったけど、無傷で決勝戦に上がれたからね。決勝ラウンドのポイントは、いかに準決勝でスマートな勝ち方をするかだったんだ。結果、そのとおりに進んだ。決勝戦を万全のコンディションで迎えることができれば、優勝は間違いないと思っていたんだ。
──2回戦を勝ち上がった時点で、マヌーフ選手との試合を熱望されていましたよね。
ムサシ メルヴィンと試合をしたかった理由というのは、オランダではメルヴィンが非常に強いと評価されていたから。でも、ボクは自分のほうが強いと思っていたんだ。だけど、それを信じてくれる人がいなかったんだよね。でも、今回の勝利でボクのほうが強いということを証明できたと思っているよ。
──準決勝の相手がマヌーフ選手だと決まったときはどんなことを感じましたか?
ムサシ 相手がメルヴィンになるんじゃないかということは、ある程度、予想していたんだ。オランダ人が2人残っていたし、ボクもいろんなインタビューで「メルヴィンと闘いたい」と言っていたからね。決まってよかったと思ったよ。
──マヌーフ選手に勝利した一番の要因というのはなんでしょうか?
ムサシ 精神的に優位に立てたからだと思う。スタンドでは、自分のほうがリーチが長いので遠い間合いで打ち合っても大丈夫だし、メルヴィンの得意な接近戦になったとしてもボクはテイクダウンすればいいわけだから、常にプレッシャーを与え続けることができたんだ。ボクはスタンドでもOKだし、グラウンドになったって問題ないからね。
──マヌーフ戦後、決勝戦の相手はホナウド・ジャカレイ選手でした。
ムサシ ジャカレイの身体能力の高さ。特にあのスピードには驚いたね。結果的に勝つことができたけど、ただ、このトーナメントを通してジャカレイとゼルグとは友人になったので、決勝戦は非常にやりにくかったね。
──決勝戦にジャカレイ選手が上がってくることを想定しての対策はしましたか?
ムサシ 準決勝のマヌーフ戦に100%集中するため、マヌーフ戦以外の対策は立てていなかったんだ。マヌーフ戦を終えて、控え室で少しだけ対策を練っただけだったよ。とにかくジャカレイはグラップリングでは世界トップの選手なので、寝技に引き込まれないように体勢とガードを低くするのと距離感の確認を行った程度だね。
──フィニッシュとなった下からの蹴り上げは狙っていたんですか?
ムサシ うん。ボクがグラウンドになったとき、ジャカレイはパウンドを打ちながら飛び込んでくると思ったんだ。一度、彼の体を脚で突き放したとき、絶対にもう一度飛び込んでくると。だって、そのままボクを立たせてスタンドの勝負に持ち込むというのは、ちょっと考えられないもんね。でも、あんなにキレイに入るとは思わなかったよ(笑)。

■「プロのファイターならば、プロモーター、そしてファンが選んだ相手と闘うべきだよ」

──一夜明け会見で初防衛戦の相手について質問されたときに、秋山成勲選手の名前を挙げましたね。
ムサシ 初防衛戦の相手は誰でもいいんだけど、彼は日本で一番いいファイターだと評価されている選手だし、ファンのみんなもボクと彼との対戦が観たいんじゃないかな? そういう意味でも、挑戦者として彼が相応しいんじゃないかなと思ったんだ。
──秋山選手のことをどう評価されていますか?
ムサシ 何度か試合を観たことはあるけど、特に印象はないんだよね。いい選手だと思うよ。ただ、彼はここ2試合、リスキーな相手を避け、イージーな相手を選んでいるという噂を聞いたんだ。もしその話が本当だとしたら、それはちょっとプロのファイターとしてどうなのかな? と思う。プロのファイターならば、プロモーター、そして何よりファンが選んだ相手と闘うべきだよ。特に彼にはそういう真摯な姿勢が求められていると思うんだけどね。前にああいうこともあったんだしさ。
──秋山選手と闘ったとして勝つ自信はありますか?
ムサシ これまでボクはトップレベルの柔道家3人(瀧本誠、ヘクター・ロンバード、ユン・ドンシク)と闘ったことがあるんだけど、すべて勝っているんだ。柔道家とは相性がいいんで、勝つ自信はある。確率で言ったら、まあ、85%の確率でボクが勝つと思うよ。
──最後に今後の目標を聞かせてください。
ムサシ ミドル級王座の防衛戦を一回やったら、今度はライトヘビー級、ヘビー級の王座も目指してみたいね。それと並行してK-1での試合もしていきたい。ボクは身体的にも技術的にもまだまだ成長していけると思うんだ。だから可能性があるならば、いろんなことに挑戦していきたいね。