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2010年7月7日

「吉田道場を代表するものとして自分が見せないと」
中村和裕インタビュー

7・10『DREAM.15』(さいたまスーパーアリーナ)にて行われるDREAMミドル級ワンマッチ、カール・アモーゾ戦に臨む中村和裕にインタビュー。DREAM初参戦に向けての意気込みを語ってもらった。【取材日:2010年7月2日】

■「吉田さんと闘って得たモノは相当たくさんありました」

──DREAM初参戦が決定しました。ファンの方々からすると面白い展開になってきたなと感じていると思います。
中村 そう思っていただけたら相当嬉しいですね。
──中村選手自身はどう感じていますか?
中村 PRIDEに出ていたので、関わっていた人が多いので、古巣に戻ってきたという感じはありますね。でも、PRIDEが終わってUFCに行って戦極に出て、戦極ではただ出るだけじゃなくてなんとかして盛り上げてすごいイベントにして、その一員になりたいという気持ちがあったんですけど、でも、現状こういう状況で、自分自身PRIDEというのを戦極に出ることで一区切りしていた部分もありましたし、だからなんか不思議というか、気持ちの整理が着いてないままここにいるって感じですね。
──これまでDREAMについてはどういうイメージで見ていましたか?
中村 やっぱり同じ階級は気になっていたんですけど、やっぱりゲガール・ムサシとか(ホナウド・)ジャカレイとか(ジェイソン“)メイヘム(”ミラー)とか外国人が強いな、みたいな。で、いまだにサクさん(桜庭和志)とか頑張っているし、外国人強いなってイメージでしたね。
──DREAM参戦を決めた理由というのは?
中村 そこの舵取りは上に任せているので、自分は闘うだけって感じです。
──今年4月に吉田秀彦さんが引退されて、中村選手の中で自分が先頭に立って吉田道場を引っ張っていくという気持ちは強いですか?
中村 それはめちゃくちゃありますね。やっぱり現役をやっている最中だとなかなか難しいんですけど、できる範囲でファイターとして指導者として吉田道場を日々考えながらやってますね。道場を代表するものとして自分が見せないと、という気持ちは強いです。
──それは負担にはなりませんか?
中村 やっぱり負担に感じることもあるんですけど、プラスのほうが大きいですね。下が育ってくると嬉しいし、去年小見川先輩が活躍したのもその一員としていられたことはすごく嬉しかったし、一日一日でまた感情は変わるんですけど、負担よりも楽しいってほうが大きいです。
──4月の『ASTRA』で吉田さんの引退試合の相手を務めたわけですけど、引退試合の相手として名乗りをあげたときというのは、どういう心境だったんですか?
中村 それはPRIDEがすごく影響しています。同じように吉田さんが勝つのと自分が勝つのでやっぱり世間の評価も違うし、でも自分自身では吉田さんに負けてねえぞっていう気持ちはすごく強くあります。ただ同時に越えられない壁というのもすごく感じていて、実力以上に存在感というか、それが一緒にいながら相当悩んでいたことなんです。正直、辞めて一人でやりてえなってときもありましたからね。そういう気持ちがずっとあった中、吉田さんが4月に引退するってときに会見で「誰と闘いたいんですか?」って言われて、そういう気持ちがあったので「吉田秀彦さんと闘わせてください」って言いました。
──試合は中村選手の勝利に終わったわけですけど、勝利してその葛藤というのは払拭できましたか?
中村 変わらないですね、やっぱり(笑)。いまだに追いかけているという感じで。ただ、闘って得たモノは相当たくさんありました。
──試合が終わって吉田さんから何か言葉はあったんですか?
中村 元々、そんなに吉田さんとは話しはしなくて、小見川先輩とかとはよく呑みに行ったりもするんですけど、そのときはメールで「自分が信じていることを真剣にやっていけば周りは着いてくるから。だから、頑張って引っ張っていけよ」と言っていただきました。
──今回、中村選手、小見川選手が出場されるわけですが、DREAMで吉田道場の実力を見せつける、ファンとしてはその実力を見るという部分もあると思います。
中村 少なからずその気持ちはありますね。道場を背負っていますから。吉田道場の、吉田さんの意志を受け継ぐ者として、皆さんを納得させるような試合をしたいなと思っています。

■「今が最高の状態だという自信があります」

──今回の対戦相手はフランスのカール・アモーゾ選手です。アモーゾ選手の試合映像はご覧になりましたか?
中村 見ました。
──どんな印象でしょう?
中村 小シウバみたいな感じで、アグレッシブに来る選手なので油断できないなという。まあ、人を失神させたりKOするというのは相当な集中力じゃないとできないことですからね。緊張感あるいい試合ができそうだと、試合を見て思いました。
──DREAM初参戦でどんな試合を見せたいですか?
中村 殴って蹴って、投げて極めてっていう、単純ですけどそこをオーソドックスにやろうと思います。
──今後、DREAMで闘いたい選手はいますか?
中村 ジャカレイなりメイヘムなり、メイヘムはたまに練習したりするのでそこまでの気持ちはないんですけど、ジャカレイはやってみたいですね。ジャカレイは前から気になっていましたから。で、あの……最初、対戦相手として聞いたのはユン(・ドンシク)選手と言われていたんです。
──噂は聞いていました。
中村 ぜひまたやれる機会があればって思っています。
──DREAMでの目標を聞かせてください。
中村 一昨年にアゴを折って、もう格闘技できないかなって気が相当していて、自分自身もちょっと辞めようかなと思うときもあったんですけど、今年に入ってひょんなところから吉田さんとやって、こうやってDREAMでやらせてもらうことになって、自分自身のモチベーションは相当高くなっています。やるからにはDREAMのチャンピオンを目指しています。
──最後に改めて意気込みをお願いします!
中村 自分自身、今が最高の状態だという自信があります。それをDREAMで見せるという意欲に沸いていて、それを7月10日に見せますので、PRIDE時代から知っている人はその頃と見比べて、新しい人は新しい人で見てもらいたいです。頑張ります!

【『DREAM.15』対戦カード】
■DREAMライト級タイトルマッチ
青木真也(王者/日本/パラエストラ東京)vs川尻達也(挑戦者/日本/T-BLOOD)
■ライトヘビー級王座挑戦者決定戦
メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショー・タイム)vs水野竜也(日本/U-FILE CAMP.com)
■ライトヘビー級王座挑戦者決定戦
ゲガール・ムサシ(オランダ/チーム・ムサシ/レッドデビル・インターナショナル)vsジェイク・オブライエン(アメリカ/インテグレイテッド・ファイティング・アカデミー)
■ミドル級ワンマッチ
中村和裕(日本/吉田道場)vsカール・アモーゾ(フランス/チーム・アモーゾ)
■ライト級ワンマッチ
J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム)vs菊野克紀(日本/ALLIANCE)
■フェザー級ワンマッチ
小見川道大(日本/吉田道場)vsジョン・ヨンサム(韓国/CMA KOREA/冠岳BJJ所属)
■フェザー級ワンマッチ
石田光洋(日本/T-BLOOD)vsDJ.taiki(日本/フリー)