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2008年9月17日

「超人への道への最終関門に近いです」
ミノワマンインタビュー

9・23『OLYMPIA DREAM.6 ミドル級グランプリ2008 決勝戦』(さいたまスーパーアリーナ)のミドル級ワンマッチ、船木誠勝と対戦するミノワマンにインタビュー。かつての師匠であり先輩である船木との一戦に臨む心境を語ってもらった。【取材日:2008年9月11日】

■「格闘技の世界というのは、師匠、友達、いつ誰が対戦相手になるのか分からない」

──『DREAM.6』での船木誠勝戦が決定しました。記者会見で船木選手は「全力で介錯に来てほしい」という言葉を残しました。
ミノワマン もう、そのとおりだと思います。今までやってきたことを思い切って出すだけですね。
──船木選手とはかつての師匠であり先輩です。
ミノワマン 男としていつかはやらなければならないときが来る……そういう闘いだと思います。昔の師匠の顔を殴るって他の業界ではありえないと思うんですね。そこを殴って、さらにトドメを刺して勝つ。格闘技の世界というのは、師匠、友達、いつ誰が対戦相手になるのか分からないなと改めて思いました。
──船木選手を初めて観たのはいつですか?
ミノワマン 船木さんがUWFの頃に、雑誌やビデオで見ました。その後、確か船木さんが25歳くらいのときにパンクラスを旗揚げされたんですけど、その頃ボクは高三くらいで、ファイトスタイルからコスチュームのスタイルからすべてがカッコイイと思いました。
──ミノワマン選手がパンクラスに入ってからの関係というのは?
ミノワマン 船木さんはメインで活躍されていて、ボクは練習生だったので、会話のできる立場ではなかったんですけど、練習生のやる洗濯だったり掃除だったり食事を作ったりしながら、たまに一緒に練習をさせていただきました。
──その頃の船木選手の印象というのは?
ミノワマン 怖さがありましたね。緊張感のある、とてもクールな方で、いい意味でファイターとして冷徹でした。でも、試合以外では面白い方でもあり、面白いイタズラをする方でした(笑)。
──船木選手に対する憧れというのは?
ミノワマン ありました。パンクラスの選手はほとんど船木さんを目指していましたからね。自分がパンクラスに入って4年後くらいに船木さんは引退されてしまったんですけど、自分は「船木さんといつか試合する選手になりたいな」「いつか船木さんを越えたいな」と思ってやっていました。でも、引退されてしまったので、「あっ、もう闘うことはないな」と思いまして、それからは自分なりの思うプロレスラーになろうと思いました。
──2000年5月のヒクソン・グレイシー戦を最後に船木選手は一時引退されます。その後、ミノワマン選手も主戦場をパンクラスからPRIDEに移したりしましたが、その間、お互いの関係というのは?
ミノワマン まったくなかったです。会ってないですね。
──ずっと会っていない中で船木選手が昨年7月に現役復帰を宣言しました。
ミノワマン 「あっ、復帰されるんだ!!」っていう驚きが大きかったです。あと、嬉しさもあってワクワクしました。「返ってくるんだ!」って。
──「もしかしたら対戦するときが来るかも!?」とは思いませんでしたか?
ミノワマン 頭をよぎったことはありましたけど、船木さんはHERO'Sでの復帰でしたので、当時は分からなかったですね。

■「優しさが出たらダメ。優しさは捨てなきゃならない」

──記者会見後時の船木選手の言葉を聞いていると、すごくミノワマン選手を理解しているなと感じました。
ミノワマン これは分からないんですけど、ヘブンの感覚を知ってらっしゃるなと思いました。ボクはニュアンス的に「ヘブン」という言葉を使ったんですけど、その感覚を知ってらっしゃるなと。
──同じリングで闘うことになり、主催者に船木戦の要望をしたりとかはしなかったんですか?
ミノワマン いえ。同じリングでやっている以上、周りの声を聞いても、いつかはやるんじゃないかとは思っていましたけど、自分からその機会を掴みに行くんじゃなく、自然の流れに任せようと思っていました。
──やりたかったのにですか?
ミノワマン 正直、やりたくない気持ちもありました。そのへんの感覚は難しいんですけど……。とにかく、自分の技術、性格をよく知ってらっしゃる方なので、最後は気持ちの勝負になると思います。
──どんな試合になると思いますか?
ミノワマン 感情のぶつけ合いになると思います。感情を出し切ったほうが勝つと思います。技術とかの問題じゃないと思います。やるしかないです。
──記者会見でミノワマン選手は、船木選手の復帰後の試合を観て「本当の船木さんの力をまだ出し切っていない」ということをおっしゃっていました。
ミノワマン 出し切ってないと思います。まだリミッターを外していないというか、外し方がまだ思い出せない感じで。外したら自分の思うとおりに闘えると思います。
──そのリミッターをミノワマン選手との一戦では……。
ミノワマン 外してくると思います。ボクも船木さんのリミッターを外すところを見たいけど、でも、それに勝つために自分のリミッターも外さなくてはいけない。超人への道への試練だと思います。負けるわけにはいかないです。今までやってきたこともありますし。
──今までの試合とは違う感じがしますか?
ミノワマン いつもと違いますね。超人への道への最終関門に近い感じです。『キン肉マン』でジェロニモが超人になるために3つの関門を通ったときがあったんですけど、最後の関門が育ての親である酋長を斧で叩けるか叩けないかという関門だったんですが、あれと同じです。今回の試合は自分の弱いところが出てしまいやすい試合だと思うので、それは過去にも出ているところなので、その弱いところを出さないのが課題です。言ってしまえば、優しさが出たらダメだと思います。優しさは捨てなきゃならない。じゃないといい試合にもならない。自分も船木さんも力を出し切って、その先にある闘いを求めたいですね。
──不完全燃焼はなさそうですね。
ミノワマン 不完全燃焼は許されないですね。
──船木戦は最初で最後という気持ちですか?
ミノワマン おそらくそうなると思います。
──最後に船木戦に臨む意気込みを聞かせてください。
ミノワマン 『ミノワマン第9話“運命の巻”』!!