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2010年2月4日

「そこに強い選手がいたら自分から進んでいかないといけない」
長南亮インタビュー

3・22『DREAM.13』(横浜アリーナ)にて遂にDREAM初参戦を果たす長南亮にインタビュー。日本を代表する強豪ウェルター級ファイターに、『DREAM.13』出場が決定した現在の心境を語ってもらった。【取材日:2010年1月28日】

■「DREAMウェルター級は、そこまでまだ混沌としていない状況」

──DREAM初参戦が決まった今の率直な心境から聞かせてください。
長南 「やってやる」という決意しかないですね。まだ相手は決まってませんけど、「絶対に相手を倒す」というか、凄く気持ちが引き締まっています。
──日本のメジャーイベントで試合をされるのは久々ですね。
長南 PRIDE以来ですね。でも、UFCとかアウェーですごく厳しいところでやってきたので不安はないです。自分の試合を見たかったと言ってくれる人が多いので嬉しいですね。
──去年までUFCで闘ってこられました。
長南 一回りも二回りも強くしてもらったと思います。悔しい思いもしたし、一つ一つの試合が強くしてくれたと思いますね。それと、やっぱり今までの環境と違うところで生活もしましたし、PRIDE時代と違って子供も2人いますし、そういうものを背負うという意味で人間的にも成長できました。ですから、前以上に強い自分をアピールできると思っています。
──DREAMにはどういった印象を持っていますか?
長南 バラエティに富んでいるというか、自分が目指すものと違う選手もいますけど、自分が目指すべき強い選手もいて、その両方がごっちゃになっているという感覚があります。そこで自分は自分が目指す強い選手とぶつかっていきたいと思いますね。自分の信念に基づいた試合がしたいです。
──その信念というのは?
長南 自分に嘘を付かないということですね。そこに強いと思う選手がいたら、そこは自分から進んでいかないといけないと思うし、「おいしい」とか「目立ちたい」というところじゃなくて、大怪我するかもしれないし今までもしましたけど、つまらない試合になっていってしまうかもしれないけども、レベルの高いところでギリギリの闘いをしたいと思います。弱い選手を当ててもらって勝っても……やっぱり、自分に嘘は付けないんですよね。
──DREAMウェルター級のベルトに関してはどうですか?
長南 やっぱりDREAMのウェルター級のメンツを見ると、そこまでまだ混沌としていない状況だと思うんです。もちろんチャンピオン(マリウス・ザロムスキー)は強い選手だなと感じているんですけど、まだまだすごく強い選手がこれからDREAMに出てくるでしょうから、「チャンピオン」とか「ベルト」とか形だけじゃなく、単純に強い選手と闘っていきたいです。もちろん、チャンピオンとやらせてもらえるんだったら、いつでもやりたいですけどね。だから、ザロムスキーもそうですし、ジェイソン・ハイというのはウチ(Team M.A.D)の白井(祐矢)がやられてますから、兄貴分としてキッチリ落とし前は付けないといけない。マッハさんもちゃんと体調を作れば強いですし、これからまた新たに参戦してくる選手がいるとも聞いていますから、狭い囲いの中じゃなくて、誰が相手でも強いという階級になっていって、その中で誰が相手でも闘っていきたいですね。
──今、桜井“マッハ”速人選手の名前が出ましたが、今後勝っていけば、いつかマッハ選手とも対戦する可能性もあると思いますが。
長南 オレもマッハさんも上に行ったら、生き残るためというか、そういう闘いもあるだろうなとは思っています。オレもそうだし、マッハさんもあまりやりたくないとは思うんですけど、そのくらいまで上に行けたらたくさんお金ももらえるでしょうから、そのときは2人でバカバカ殴り合って、その後、うまいもんでも食おうかって感じでいいんじゃないかと思います。

■「男たるもの働かないとダメじゃないですか」

──先程お話に出た同じTeam M.A.Dの白井選手が、1月24日の『DEEP45』でDEEPウェルター級チャンピオンとなりましたが、これは長南選手にとってもいい刺激になったと思うのですが。
長南 そうですね。自分の試合より嬉しかったです(笑)。自分が闘うぶんには、一回勝っても二回勝っても、まだまだ続いていくものだと思っているので、嬉しいのはほんと一瞬だけなんですよ。だけど、仲間が勝って嬉しいっていうのは一瞬じゃないんですよね。自分がやっていることってのは見えないんですけど、仲間がやっていることはずっと見てきているんで、その苦労を思うとすごい嬉しかったし、刺激になりましたね。去年のDREAMの悔しさをバネにまた強くなって、DEEPのチャンピオンになったので、2度目のDREAM参戦もあると思います。
──現在は主にどこで練習されているのですか?
長南 キックボクシングは小野寺力さんのところのRIKIX、総合は吉田道場、高阪(剛)さんのところのA-SQUARE、大きいところで言えば、その3つですね。
──UFCに参戦していた間はアメリカを拠点に練習されていたんですよね。
長南 そうですね。チーム・クエストだったり、ジェイソン(“メイヘム”ミラー)と一緒にあちこちのジムに行ったり。今回、試合する前にまたアメリカに行って調整してこようかなと思っています。
──アメリカで練習することのメリットというのは?
長南 日本ではやっぱりライト級とか自分より下の階級の選手が多いんですけど、向こうはウェルター級より重い選手が多いので、やっぱり肉体的にもハードな練習になるし、そういった中で日本で培った技術を試せるというか。逆に新たな技術も取り入れたりもできますし、そこはメリットですよね。
──そういえば、大工さんの仕事を再開していると聞きました。
長南 はい。ずっとやってなかったんですけど、ちょっときっかけがあって。去年は2試合しかしていなくて、お金がどうこうよりも、働きもしないでこのまま黙っていていいものかと思っていまして、大晦日の話もあったんですけどそれもできなくなっちゃって、試合はしたいけど試合がない状況だったんで、年明けに大工の友達のところで働かせてもらうことになったんです。やっぱり、男たるもの働かないとダメじゃないですか。それに、大工の仕事をしていると、気持ちが作れるんですよね。仕事をしながら練習して、練習だけやっていたときとは違った気持ちで練習ができるんですよ。昔、大工をやっていた頃は試合のギャラだけで生活もできなかったので生きるためにやっていたところがあったんですけど、その頃の気持ちをちょっと思い出したいなというのもあったんです。今の状況というのはいろいろと恵まれすぎているんじゃないかなと思って、当たり前に練習して格闘技だけをやれていることをもうちょっと厳しく考える必要があるんじゃないかなと。それで現場で仕事をし始めたら、やっぱり昔の気持ちが戻ってきたというか、もっと強く格闘技に打ち込める自分がいるんですよね。だから、闘うための気持ちの作る場ですね、現場は。格闘技に甘えないようにしていきたいです。
──より『DREAM.13』での試合が楽しみになってきました! DREAMウェルター級に新しい風を吹かすことを期待しています!
長南 たくさんの方から暖かい声を掛けてもらって、谷川さんだったり笹原さんだったり、アメリカで試合していたときから暖かい声を掛けてもらっていたんで、リング上では暖かい言葉とは反比例した厳しい試合をしていきたいと思っています、はい。

【『DREAM.13』対戦カード】
■DREAMフェザー級タイトルマッチ
ビビアーノ・フェルナンデス(王者/ブラジル/レボリューション・ファイトチーム)vsヨアキム・ハンセン(挑戦者/ノルウェー/フロントライン・アカデミー)

【『DREAM.13』参戦予定選手】
長南亮(日本/ Team M.A.D.)