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2010年10月12日

「実に奇妙な気持ちだよ」
ジェイソン“メイヘム”ミラーインタビュー

9・25『DREAM.16』(日本ガイシホール)で行われたDREAMミドル級ワンマッチで桜庭和志を破ったジェイソン“メイヘム”ミラーにインタビュー。自身のヒーローである桜庭を破った心境を語ってもらった。【取材日:2010年9月26日】

■「オトコナキ。当たり前だよ」

──昨夜は見事な勝利でした。一夜明けて、今の心境を教えてください。
ミラー 本当に最高の気分だよ。ただ、まだ現実のこととは思えなくて、なんだか夢の中にいるようなんだ。サクラバに勝てたことを誇りに感じるし、世界中の人たちに努力すれば夢が叶うということを見せられて嬉しい。とてもハッピーだよ。
──現実のことだと実感するにはまだ時間が掛かりそうですか?
ミラー まだ夢の中にいるみたいでボーッとしているんだ。奇妙な感覚で、本当のこととは思えない。このオファーが来て即座に「イエス!」と答えたんだけど、そのときも本当に変な気持ちだった。というのも、サクラバはずっと自分にインスピレーションを与え続けてくれた存在だから。ずっとサクラバのようなファンタスティックな試合をしたいと思っていたんだ。いわば、サクラバは自分にとってのヒーロー。そのヒーローと試合をすることになって、「絶対に勝つ!」「何があっても勝つんだ!」と思っていたんだけど、実際に勝って実に奇妙な気持ちだよ。
──実際に試合を振り返ってみていかがですか?
ミラー 自分がこうしようと思っていた戦略、計画どおりに物事が進み、一切サクラバにいいポジションを与えることなく勝てたと思う。昨日のような、完璧な試合ができるというのはあまりないこと。すべて思いどおりに物事が運んだというのは、運もあったんだと思うよ。事前にサクラバはこういう動きをするだろう、こう攻めてくるだろうという予測もしていたんだけど、実際にそのとおりになるなんてまずあり得ないことだからね。もし、もう一回サクラバと試合をすることになったら、また違った試合になると思うよ。
──最後の肩固めは狙っていたんですか?
ミラー 本当はサクラバを殴りたくはなかったんだ。とにかく関節技で一本を狙うことだけを考えていた。でも、彼は強い。サブミッションを獲るためにはパンチをしなきゃいけない状況だったんだ。まあ、最初に殴られたから、自分も殴り返したってわけだよ(笑)。
──桜庭選手がタップした瞬間はどんな気分でしたか?
ミラー すごく興奮していたので、あまりタップの感触はなかったんだ。「あ、タップしているのかな?」という感触はあったんだけど、あの時点はもう夢の中にいるようだったし、あまりよく覚えてないんだ。覚えているのはレフェリーが叫んでいたことで、それを聞いて「ああ、終わったんだ。勝ったんだ……」と思ったよ。オカシイ、オカシイデスネ。実に奇妙な感覚だよ。2週間後……3週間後……いや、10年ぐらい経ってからもう一回、聞いてくれ。いままで感じたことのない気分で、自分でもうまく説明できないんだ。
──試合後、リング上で涙を見せていました。
ミラー オトコナキ。当たり前だよ。

■「『Dynamite!!』は世界最高の大会だ」

──桜庭超えを果たしたわけですが、今後というのは?
ミラー 自分の将来はまだ何も決まっていない。真っ白だから自分のやりたいことができる。ただ、自分はエンターテイナーだ。ファンを愛しているから、ファンのために試合をする。だから、ファンが見たい、ファンが自分に対しやってほしいと思うことが、次にやることだ。もちろんタイトルは欲しい。だって、世界のミドル級の選手の中で自分が一番強いと思っているからね。それでもやはりファンが見たいということをやりたい。DREAMが「ファンがメイヘムとゴジラの試合を見たがっている」と言うんであれば、ゴジラとも試合をする。スキナイ、ゴジラ。キングコング、イチバン。
──日本では大晦日に一年で一番大きな大会『Dynamite!!』が開催されます。日本のファンはメイヘム選手が出場することを期待しています。
ミラー 自分も出たいと思っているよ。『Dynamite!!』は世界最高の大会だからね。毎年毎年、最高の大会になる。『Dynamite!!』のような大会がなくて、アメリカのファンは本当に残念だと思うよ。いろんなミュージシャンが一堂に会するロックフェスティバルみたいで面白すぎだからね。チャンスがあれば大晦日の舞台に立ってみたいね。
──楽しみに待っています!
ミラー マッテマス! ……ん? マッテテネ!!