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2010年10月8日

「大晦日? 出場したい気持ちはあります」
ゲガール・ムサシインタビュー

9・25『DREAM.16』(日本ガイシホール)で行われたDREAMライトヘビー級王座決定戦で水野竜也を破ったゲガール・ムサシにインタビュー。同王座戴冠の喜びを語った。【取材日:2010年9月26日】

■「水野選手はタイトルに挑戦するに相応しい選手でした」

──DREAMライトヘビー級王座戴冠、おめでとうございます!
ムサシ ありがとうございます。
──今の気分はいかがですか?
ムサシ とてもいい気分です。DREAMは最も大きな格闘技団体の一つなので、とっても立派なタイトルです。選手の中には生涯を懸けてたくさん試合をして、よい成績を残しているのに、タイトルマッチだけはどうしても勝てないという選手もいますから、ベルトを獲れて本当に幸せです。そして、それを成し遂げた自分を誇りに思います。
──闘ってみての水野選手の印象を聞かせてください。
ムサシ 水野選手は今回の一戦を迎えるに当たり十分な練習をしてきたと思います。そして、今回の一戦に懸ける強い思いというのを感じました。やはりタイトルマッチですし、自分の母国での試合でもあります。並々ならぬ闘志、本当に気持ちを注ぎ込んできていると感じました。強く殴っていましたが、彼は耐えました。私のパンチをあそこまで我慢できる選手というのは、そうそうはいません。心から勝ちたかったんだと思います。前の試合よりもずっと強くなっていました。タイトルに挑戦するに相応しい選手だと思います。あと、個人的な付き合いはないのですが、人としてもとても良い人なんだろうなとも感じました。彼のこれからの成功を祈っています。
──ファイターとしてはどのように評価していますか?
ムサシ 繰り返しになりますが、彼の最大の長所はあの強い精神力だと思います。そして、ファイトスタイルとしてはすべての技術が上手いオールラウンダー。レスリング、スタンド、サブミッション、なんでもできます。ここに極めの強さが加わればさらに素晴らしいファイターになると思うのですが、そこは経験によって強化されていくと思います。今回の一戦に際し、彼の試合映像を見ましたが、試合ごとに成長していると感じました。彼はまだまだ強くなるでしょう。ちゃんと時間をかけて、自分に合った正しいチャンスをもらうことができれば強くなれると思います。
──試合の序盤、ムサシ選手がやや警戒しているように見えたのですが?
ムサシ 最初から攻撃的にいきたかったんですけど、彼はサウスポーなんですよね。そうなると自分がいつも使っているコンビネーションを使いにくくて、それで時間を掛けて相手に慣れていくのとともに、相手にプレッシャーを与えて、疲れさせて、ミスを犯すのを待っていました。
──試合後に「30歳までにすべての目標を達成させて引退する」ということをおっしゃっていました。
ムサシ この(DREAMライトヘビー級の)ベルトをしっかり防衛したいという希望があるのと同時に、アメリカでも私の力を証明したいですからストライクフォースのベルトも狙います。そして、今からゆっくり時間を掛けて2〜3年後、28歳ぐらいのときにヘビー級に転向したいと思います。そして、自分のキャリアの最後の2年の間にヘビー級のタイトルも獲る。ヘビー級のタイトルも獲ったら、もうMMAの選手としては十分やり尽くしたと思います。
──そして引退すると……。
ムサシ はい。少なくとも今はそれを望んでます。
──完全にプランができあがっているんですね。
ムサシ ヘビー級のベルト、ライトヘビー級のベルト、ミドル級のベルトをすべて獲ったことのある選手はあまりいませんよね。そのすべてのベルトを獲ったら、それは偉業だと思うのですが、どうでしょう?
──間違いなく偉業ですね。
ムサシ 特にヘビー級のベルトを獲るということは、私の中で特別なことです。ヘビー級の頂点に立ったら、他の選手は自分より階級が下。“ヘビー級のナンバー1=すべてのMMAファイターの中でナンバー1”というアイデアが好きなんです。

■「キング・モー選手にリベンジしたいです」

──今後、ライトヘビー級の階級で闘ってみたい選手はいますか?
ムサシ キング・モー選手です。彼にリベンジしたいです。
──モー選手には今年4月のストライクフォースで判定負けを喫しています。あの時は何が悪かったと分析されていますか?
ムサシ 実はあのときまで、テイクダウンのディフェンスに対して何も考えていませんでした。テイクダウンされた後の対処というのも考えていなかったんです。まあ、たくさんのミスを犯したことが一番の原因ですね。ですから、次にキング・モー選手と試合をするときには、すべてを100%の状態にします。メンタルもそうですし、トレーニングもそうです。これまで自分の中ではメンタルの部分がちょっと悪いと思っていたんですけど、その問題も今は解決しています。すぐにでも彼と対戦したいんですけども、彼は今、ケガしていますからね。ストライクフォースでベルトを持っている選手とまず闘い、その試合に勝って、その後、キング・モー選手のケガが治り、万全の状態になったならば、彼と試合をしたいと思います。
──日本では大晦日に『Dynamite!!』があります。
ムサシ 出場したい気持ちはあります。ただ、ストライクフォースの大会が12月と来年の1月に試合があって、『Dynamite!!』は大晦日なので、両方に出場するとなると、一ヶ月に2試合となります。自分一人でスケジュールを決められるのなら12月に2回試合をするんですけど、さすがにそれは周りが反対するでしょう。まあ、マネージャーが自分にとって一番いいスケジュールを組んでくれると思います。