ホーム>

ニュース


2010年7月16日

アジア発世界!! FEGが世界一奪還へ“SPV”設立!!

K-1やDREAMを運営する(株)FEGが、都内の帝国ホテルで記者会見を開いた。会見に出席したのは、(株)FEGの谷川貞治・代表取締役、(株)FEG KOREAのチョン・ヨンス代表、DREAMの笹原圭一イベントプロデューサー、そして業務提携を結んだ『Puji CAPITALS』のマイケル・チェン氏と野中丈太郎氏だった。

■世界最大のファイティングスポーツカンパニーを目指す

 まず冒頭で谷川代表が、「日本がこれから国際競争に勝っていくため、そして世界最大のファイティングスポーツ・カンパニーを目指すためにも、上海や北京を拠点にした中国の投資銀行『Puji』と独占戦略的アドバイザー契約を結ばせてもらいましたので、ここに発表します。サッカーのワールドカップを目標とする上でも、世界中から資本を募って、事業パートナーを募って、大きく展開をしたいと考えています。そのためにFEGが『SPV』(特別目的事業体)を作って、ここに資本とか事業パートナーを募りまして、UFCにもWWEにも負けない、サッカーのFIFAのような組織を目指して行きたいと思います」と挨拶した。
 登壇した『Puji CAPITALS』Managing Partnerのマイケル・チェン氏とSenior Partnerの野中氏は、次のよう説明した。
「『Puji CAPITALS』は、6年前に設立した若い投資会社の『Puji Holdings』の一企業です。上海をベースにしまして、北京、シンガポールなどでも展開しております。『Puji』グループの事業は多岐に渡りますが、例えば天然資源の開発、石油、石炭など、中国政府の依頼を受けてアフリカ、オーストラリアでも事業を展開しております。さらには北京、上海などの都市開発、エンターテインメント事業にも政府系の企業とともに協力しています。
 この度、FEGさんと私どもが『SPV』というものを作りまして、我々の持っています国際的なネットワークの中から、ヨーロッパ、北米、南米、アジアの地域などから強力なパートナーシップを持って事業参加をしていただく企業を募りたいと考えております。まだまだ未開発のアジア・アフリカ、ヨーロッパ、北米・南米のより大きな事業発展をするために、投資銀行としてお手伝いをさせていただくことになりました」
 世界における中国の成長率の伸び率は、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いがある。FEGとしても、強力なパートナーが現れたといっていいだろう。

■3年で200〜300億円を目指す

 マイケル氏は、次のように続ける。
「こうして、パートナーシップを結べたことに対して、非常にエキサイティングな思いです。K-1、PRIDEの流れをくんだDREAMは、世界のプロ格闘技のパイオニアです。FEGさんの持つ二つの競技は、歴史もありますし、かつては大きな力を持って市場を占めていました。この世界中で認識されているブランドを持っているのが、とても重要です。それだけの価値を持っているにもかかわらず、海外ではまだまだ潜在的なポテンシャルであり、それが完璧に達成されていないと、我々は思っています。世界市場の事業開発へ向けて、我々は戦略的アドバイザーとして協力をさせていただきます」
 またマイケル氏は、『Puji』の目的として、1:FEGのプラットホームの国際化、2:事業体としての国際化、3:プラットホームを基にして、速やかに事業構築を図っていく、以上のことをミッションに上げている。
 谷川代表によると、『Puji』側と接触したのは昨年10月から。具体的に、業務提携の話を進めたのは今年の春先からだという。
 すでに『Puji』は、大手企業と事業パートナーの交渉に入っている。その中には、中国最大の国営メディアの『SMG』、電通とともにサッカーのワールドカップのイベントを手がけた世界トップ3の欧州系大手スポーツ・マネジメント企業の名前もあるようだ。
 マイケル氏は「ここに挙げた二社以外にも、同等の企業と交渉中です。初年度を含めて、3年くらいまでに200億から300億円の資金調達を目指します。将来は、企業価値を1000億円を超えるようにしたいですね」と、高らかに目標を掲げた。

■「UFCととって替わるようになりたい」(DREAM・笹原プロデューサー)

 会見に出席したFEG KOREAのチョン代表は、「K-1のグローバル化についてですが、まさにその最初の事例が、我々の韓国だと思っております。我々のFEG KOREAは2007年5月に設立されています。世界最大規模のWGP世界FINAL16を、3年連続で韓国で開催していますし、今年もその予定です。さらに我々は、韓国の国技で、世界の格闘技で最大の競技人口を持つ(7000万人が登録)テコンドー協会と交流を持っています。すでにテコンドー協会推薦の選手を確保しており、近々K-1デビューさせる準備をしています。今後、テコンドーをベースにしたK-1ファイターが出てくるでしょう」と、今後の韓国市場の可能性を力説した。
 DREAMの笹原プロデューサーも、「世界標準といえば、UFCが思い浮かぶかもしれませんが、それにとって替わるようになりたいですね。200億、300億という数字が上がりましたが、格闘技の持っているポテンシャルは、そのくらいは十分にあると思っています」と、大きな期待を寄せている。
 おそらく、ファンの関心はK-1やDREAMの大会に、今後、どんな影響があるのか…だろう。
 それについて谷川代表は「基本的には、変わりません。K-1のヘビー、MAX、-63kg級はトーナメント中心。これが、さらに世界的な規模で行われることになるでしょう。DREAMも、変わらずにチャンピオンシップが中心となります。日本の大会は、フジテレビさん、TBSさんとも相談しなければなりませんが、K-1の中国リーグ、北米リーグなど、大会数が増えていくことにはなるでしょうね。今年は、10月2日に韓国でWGP世界FINAL16を、12月11日にWGP世界FINALを開催します」とコメントした。
 SPVの活動は、「ここ2、3ヶ月で、いくつかのパートナー企業が決まるでしょう。秋から本格的に動いていくことになると思います」と谷川代表。
 マイケル氏は、中国でのK-1開催も熱望しており、K-1の世界戦略と合わせて、FEGは強力なパートナーと手を結ぶこととなった。