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2010年1月20日

「僕のことも躊躇なく折りに来ると思います」
川尻達也インタビュー

昨年大晦日『FieLDS Dynamite!! 〜勇気のチカラ2009〜』で行われたDREAMvsSRC対抗戦にDREAM代表として出場し、横田一則に勝利した川尻達也にインタビュー。完勝を収めた横田戦、近い将来訪れるであろう青木真也とのタイトルマッチ、今年の抱負などを語ってもらった。【取材日:2010年1月1日】

■「DREAMという舞台は間違ってなかった」

──横田一則戦は見事な勝利でした。一夜明けて今の心境から教えてください。
川尻 勝てて実力の差も見せられたのでホッとしています。青木君の試合もそうですけど、ライト級に関しては(SRCとは)圧倒的な差があることがわかってもらえたと思うのでスッキリしましたね。自分の試合内容に関しては面白くなかったんでイマイチですけど、今後もう(SRCと)交わる必要はないんじゃないかと思います。
──試合内容としては特に危ない場面もなかったように見えたのですが、川尻選手自身はどのように感じていますか?
川尻 危ない展開はまったくなかったですね。やっぱ(横田は)強いと思ってたんで相当警戒して練習もしたんですけど、自分の想像よりスピードも対応できたし、あんなにテイクダウンもできるとは思っていませんでした。仮にテイクダウンしても立たれたりして、8割はスタンドの展開になると思って対策を立てていたんですけど、「こんなに差があったのか」という感じでしたね。これは正直、自分でも驚きました。もっとギリギリの展開で、判定になっても競った状態になると思ってたんですけどね。自分のやってきたことは間違ってなかったんだなと、自分が闘ってきた場所、DREAMという舞台は間違ってなかったんだなと思いました。僕が今まで闘ってきた相手は本当に世界のトップで、その中で闘えてきたというのは凄い経験だったんだなと感じましたね。


──それでも試合内容に関して「イマイチ」とおしゃっていたのは、どういう理由からですか?
川尻 3Rとも同じ展開になっちゃったんで、(J.Z.)カルバン戦でもそうだったんですけど、ラスト5分に展開を変えるべきだというのを再確認しました。3Rにバチッとスイッチを切り替えて展開を変えられるようなスタイルがこの先は必要になると思うので、今年はそれを意識してやろうと思っています。
──展開を変えるというのは具体的には?
川尻 今回だったら、3Rに相手が相当バテていてスタンドでもフラフラだったんで、無理にテイクダウンしなくてもスタンドで勝負できたし、KOできたんじゃないかなと思うんですよ。1、2Rと同じ展開で行っちゃったから結果として判定になったので、そこはちょっと変えたほうがいいかなというのはトレーナーとも話しました。そこのスイッチの入れ替えというか、展開の切り替えというハッキリした課題が見つかったんで、それをちょっと詰めていきたいなと思います。
──完封した上での判定勝ちでは納得がいかないと?
川尻 一般的に見たらやっぱ……っていうか、僕もスッキリしたいですからね。人に勝敗を決めてほしくないからKOか一本で勝ちたいし、昨日も最後に一本を取れるチャンスはあったんで、あそこで取れていたら今日はニコニコしてたと思うんですよ。やっぱ自分が憧れて見てきた選手というのは、桜庭(和志)さんだったり、(佐藤)ルミナさんだったり、(桜井“)マッハ(”速人)さんとか、一本やKOを取る選手で、自分もそうなりたいと思ってやってきましたからね。自分もそういう、格闘技を目指す人が期待してくれるような選手になりたいです。初めて見た人でも「格闘技って面白いな」って思えるような試合をしたいですし、そうなるとKOか一本なんですよね。

■「青木真也を超えるには青木真也を倒すしかない」

──今後の話になるんですが、試合後のコメントブースで、左ヒザの状態があまり良ろしくないということをおっしゃっていました。
川尻 10月終わりか11月頭くらいに、スパーリングのときにやっちゃいました。
──詳しい検査というのはこれから?
川尻 靭帯は損傷してるんですけど、半月板までどうかっていうのは、これからですね。もしかすると半月板までいってるかもしれないと、知り合いの先生からも言われてるんで、MRIを撮って様子を見てっていう感じですね。
──実際にヒザを痛めてから試合までの2ヶ月というのは、歩けなかったりした時期もあったんですか?
川尻 最初は、ヒザが曲がらなかったんで、もう足を引きずってっていう感じですね。でも、大晦日はタイトルマッチになると思ってましたし、自分の中でここは逃せないし、自分で言っておいてキャンセルはできないからっていうのもあるので、うまくごまかしながら練習をしてました。蹴ることはできなかったんですけど、スパーリングもうまくごまかしながらやって、ちょくちょく同じところを痛めたりして踏んばりが利かないこともあったんですけど、練習ができなかったというのはなかったです。ただ、また同じところをケガしたら、今度は手術とかの話になる可能性もあると思うので、とりあえず検査だけはしてみようかなと。今のところそこまで重症という感じはないんですけど、しっかり治してからやろうかなと思います。
──ということは、診断の結果によって今後の予定も決まる感じですね。
川尻 そうですね。とりあえずはゆっくりしようかなと思います(笑)。
──ケガの状況にもよると思うのですが、今年一発目でタイトルマッチをやりたいという気持ちはありますか?
川尻 う〜ん、それはプロモーターとファンが決めることですからね。僕はちょっと自分の中でリセットしちゃったところがあるんで、タイトルマッチに関してまだ直接的な思いはないんですけど、やっぱりメールとかでも「次はベルトだ」って言ってくれるし、ファンの方もそういうことを言ってくれますからね。まあ、今年の目標はベルトを取ることなので、そこは挑戦者として後悔がないようにリングに上がりたいと思っています。だからファンや青木君が納得できる形でやりたいですね。
──ちなみに、昨日の青木選手の試合はご覧になられました?
川尻 はい。
──感想を聞かせていただけますか?
川尻 エグかったですね(苦笑)。でも、エグい試合は全然ありだと思うし、あそこで躊躇しちゃったら逆にやられる可能性があるんで、別にそれは問題ないと思います。ただ、試合後のアピールは酷い……っていう。まあ、悪魔だなって思いましたね。悪魔の子だなっていう(苦笑)。
──対抗戦ということで青木選手のモードもいつもと違ったんじゃないかとも思うのですが、今後、川尻選手とタイトルマッチを行う際は青木選手はどのようなモードだと思いますか?
川尻 一緒だと思いますよ(笑)。僕のことも躊躇なく折りに来ると思います。
──お二人によるタイトルマッチはDREAMの一つの集大成とも言えますよね。
川尻 そうですね。青木真也というのは、日本でもそうなんですけど、世界的な評価としては僕の遥か上を行ってるし、そんな青木真也を超えるには青木真也を倒すしかないと思ってるんで、もう直接対決でしっかり結果を出して、日本のファンにもそうだし、世界にもアピールしたいなと思ってます。ベルトを取って、DREAMの代表として世界にも喧嘩を売ろうかなと思います。
──「青木選手と闘う」ということと「ベルトを取る」ということ、川尻選手としてはどっちにプライオリティをおいていますか?
川尻 一番はベルトです。ただ、青木真也vs川尻達也のタイトルマッチというのは、僕とか青木君から見てもファンから見てもベストだと思ってるんで、それができたら格闘技界にとって一番いいんじゃないかなと思います。
──では、最後に今年の抱負を聞かせてください。
川尻 まずはベルトですね。とにかくDREAMのベルトを取って、世界一を目指して、見ている人みんなの期待に応えられるような選手になりたいです。