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2011年10月4日

「一歩一歩踏みしめながら闘います」
ビビアーノ・フェルナンデスインタビュー

FIGHT FOR JAPAN『DREAM.17』にて行われたDREAMバンタム級世界トーナメント1回戦で大塚隆史を破り、大晦日に行われる同トーナメント決勝ラウンドへ駒を進めたビビアーノ・フェルナンデスにインタビュー。決勝ラウンドに向けての抱負を語ってもらった。【取材日:2011年9月25日】

■「日本の皆さんからも私は学んでいます」

──昨夜は見事な勝利でした。
ビビアーノ (満面の笑みで)ありがとうございます。
──一夜明けた今の気分はどうですか?
ビビアーノ 非常に気分がいいです。とても強く、DEEPのチャンピオンでもある大塚選手にサブミッションで勝てたことはとても嬉しいことです。しかし、浮かれてはいません。私は思いに任せて喜びや怒りを爆発させたり、感情的になりすぎないようにしています。何事も物事には両面があり、悲しいときもあれば、楽しいときもある。辛いときもあれば、よいときもある。すべては裏表になっていると思います。私はそれを理解しています。今回勝利できたことは嬉しいですが、一つの結果として受け止めていて、今はもう次のステップに向けて努力していこうと思っています。
──今回は台風15号の影響で日本への到着が遅れたんですよね。
ビビアーノ そうなんです。飛行機が成田空港に到着するのが難しいとのことで、一度、北海道で降りて、その翌日に北海道から東京に向けて飛行機に乗りました。本来は21日に東京に着いている予定だったのですが22日に着いたので、ちょうど丸一日到着が遅れてしまったんですよ。でも、メンタルも含め、コンディションにはまったく問題はありませんでした。自分に規律を課して、試合に集中することに務めましたからね。何かトラブルが起こって、それをいちいち気にしていたらストレスになります。それは自分にとってよくないことです。だから、どんな状況でもリラックスするように務めているんです。だから、今回も動揺することはありませんでした。
──そういった自分に規律を課すという性格は先天的なものなのでしょうか?
ビビアーノ 先天的なものではないと思います。なぜなら、私は日々、いろいろな人から教えを受けているからです。日本の皆さんからも私は学んでいます。自分に規律を課して、正しい行動を取る。これは日本人の皆さんの持つ素晴らしい姿勢じゃないですか? 朝起きて時間通りに仕事をされていますし、3月の大震災のときも日本の皆さんは規律のある行動をしたと聞いています。私は常にポジティブでありたいと思っています。なぜなら、この世はネガティブなことに溢れていますからね。ポジティブでいないと、ネガティブなことに押し潰されてしまいます。

■「相手のミスは絶対に見逃しません」

──大塚選手とは2年半前に一度対戦されていますが、今回対戦してみて大塚選手に対して何か感じたことはありましたか?
ビビアーノ あまりに試合時間が短かったので感じられませんでした。ゴングが鳴って、ぶつかり合って、その状況に対応していたら終わっていました。チョークが入ってレフェリーに「落ちている!」と言ったんですが、レフェリーはまだ状況に気づいていないようでしたので、もう一度「落ちているよ!」と言ったら止めてくれました。
──こういった展開は予測していましたか?
ビビアーノ 私は戦術を立てて試合に臨みません。立ち技でも寝技でも試合ができますので、試合の流れに任せてベストだと感じる動きをするだけなんです。ただ、相手のミスは絶対に見逃さないように心掛けていて、相手がミスをしたらそこを突くようにしています。今回の試合のときは、試合の最中に「自分が前に出れば、大塚選手も前に出てくるだろう」と感じ、先にプレッシャーを掛けました。そうしたらやはり大塚選手は前に出て、パンチを大きく振るうというミスを犯しました。そのミスを私は突いて勝利することができたんです。
──昨年までは当時63キロ以下規定のDREAMフェザー級で闘ってこられましたけど、今回は61キロ以下のDREAMバンタム級での試合でした。コンディションや動きでこれまでと違ったところはなかったですか?
ビビアーノ 私の通常体重は64〜65キロなので、大幅な減量をする必要はないんですよ。63キロ級のときもほとんど減量はしませんでしたし、今回も3〜4キロ落としただけです。だから、コンディションもいつも通りでした。ただ、ややスピードは増したと感じました。
──一夜明け会見では、準決勝出場のアントニオ・バヌエロス選手、ホドルフォ・マルケス・ディニス選手の昨夜の試合は「見ていない」とおっしゃっていましたが、昨日の試合に限らず、これまでその2選手の試合はご覧になったことはありますか?
ビビアーノ 見たことありません。もう一人の準決勝進出選手、今成選手とは試合をしたことがありますし、とてもリスペクトしている選手です。危険な足関節技を持つ、とても強いファイターだという印象を持っています。次は一日に2試合を行うことになりますが、一昨年のDREAMフェザー級GPのときもそうでしたが、いつもと違った準備をすることはありません。一日2試合は過酷ですが、一歩一歩踏みしめながら闘います。まずは準決勝の試合に集中したいと思います。
──最後に日本のファンへメッセージをお願いします。
ビビアーノ 日本の皆さんは今、大変な時代を過ごしていると思いますが、決して諦めないで、前に進み続けてほしいと、私は願っています。嵐の後には燦々と輝く太陽が待っています。困難の後には明るい未来が待っています。人生とはそういうものだと私は思います。自分の、そして相手の心を愛で満たしてください。私からも愛を送ります。それでは大晦日にまた皆さんに会えることを楽しみにしています。