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2010年8月6日

「いつでも割り込める準備をしておきます」
石田光洋インタビュー

7・10『DREAM.15』(さいたまスーパーアリーナ)で行われたフェザー級ワンマッチでDJ.taikiを破った石田光洋にインタビュー。1年4ヵ月ぶりのDREAMでの試合にして、フェザー級転向後初の試合となったDJ戦を振り返った。【取材日:2010年7月21日】

■「こんなに精神的にしんどい1年はなかった」

──『DREAM.15』でのDJ.taiki戦勝利、おめでとうございます。
石田 ありがとうございます。
──1年4ヵ月ぶりのDREAMでの試合だったわけですが、久しぶりのDREAMはいかがでしたか?
石田 嬉しかったですね。会見のときも「選手としてお久しぶりです」という表現を使ったんですけど、スタッフの皆さんとこうやってまた仕事ができるというのが嬉しいですし、お客さんには入場式や試合のときも大きな声援を送ってもらってすごく嬉しかったです。2連敗している状態だったし、DREAMに出るのも久しぶりだったので、忘れちゃった人は忘れちゃっているだろうなというのが自分の中ではあったので、だから声援を聞いたときは本当に嬉しかったですね。
──1年4ヵ月ぶりの勝利を得て感じたことはなんですか?
石田 久しぶりに勝利できましたので、やはり「ほっとした」というところですよね、はい。こんなに精神的にしんどい1年はなかったので……。ほんと長かったです。これまでもしんどいときはありましたけど、そのときの1年間とはまた違った長さで、違ったしんどさがありました。
──試合自体、11ヵ月ぶりだったわけですからね。
石田 仲間が試合に向けて練習しているのを見ると「いいなぁ」と思いましたし、もちろん仲間が勝ってくれるとすごく嬉しいんですけど、家に帰って一人になるとしんどくなる部分もあって……。常に何かに押しつぶされちゃうような感じがあったので、とにかく「我慢」と「辛抱」。この2つの言葉を頭に叩き込んで、しんどくなったら「今は我慢だ。辛抱のときだ」と思いながら堪えていました。
──ライト級から階級を下げ、今回が初のフェザー級での試合だったわけですが、いかがでしたか?
石田 動きに対してすごく不安があったんですけど、いざ動いてみたら動きも良かったですし、自分にとっていいほうに転がってくれました。
──減量はどのくらいあったんですか?
石田 10キロくらい落としたんですけど、最初フェザーに落とすと決めてから節制を始めていたので、ある程度落としている中からのスタートだったんです。でも、減量の方法について無知だったので、ひどい有様でしたね。今だからぶっちゃけるんですけど、減量の最後の段階とかではなく、もうやってる最中からダメダメだったんですよ。で、その状態を見かねた山田(武士トレーナー)さんに助けていただいて、栄養士さんに食事を見てもらって、そこから立て直すことができました。あそこで山田さんに助けていただいてほんと良かったです。そこからは順調にいきましたからね。
──計量の前日(7月8日)の個別インタビューのときも普段とあまり変わらない感じで受け答えをされていましたし、減量はすごく順調にいっているんだろうなと感じました。
石田 あの時点でも喋れる余裕はありました。とにかく今回は減量に関してはすごい勉強になりました。次はもっとバッチリできると思います。
──フェザー級で実際に闘ってみて、ここはメリットだなと感じたところはありますか?
石田 まだ一戦しかしていないので感じ取れない部分もたくさんあると思うんですけど、自分としてはいろんな部分がメリットになっているんじゃないかなという感じはしています。スピードが上がったのはもちろんなんですけど、例えば、今回の一戦で言うとフィジカルでは全然負ける気はしないなという感じはありましたね。

■「『宮田さんとの試合で何を学んだの?』って話じゃないですか」

──闘ってみたDJ.taiki選手の印象は?
石田 う〜〜〜ん……。試合で言うと、(DJが)サウスポーに構えていたり、あの足上げというのは僕のタックルを入りづらくするためにやっていたと思うんですけど、僕としてはやはり打撃を警戒していたんです。だから、サウスポーに構えて、パンチじゃなくて蹴りだけになっていたという部分で、あまり“怖さ”というのは感じなかったですね。それと、試合じゃない部分で言うと、こんだけ言い訳する選手は初めてでした。試合前から言い訳していましたからね。あまりこういうこと言いたくないんですけど、ここまで、試合前にボロクソに言われたことはないんで、僕もちょっとくらいは言っときたいなと思っているんですけど、いいですか?(笑)。
──どうぞどうぞ(笑)。てか、試合前の会見等でのDJ選手の発言を聞いて、やはり心中穏やかではなかったんですね。
石田 会見の最中は「ああ、言ってんな」くらいだったんですけど、その後、家に帰って一人になって冷静になったときに「こんな選手にぜってー負けたくねぇ!!」っていうのがメラメラ出てきたんですよ。その後も会見とかではそれを口に出すと感情的になっちゃうので冷静にしていたんですけど、一人でいるときは「こんなヤツには絶対に負けない!」って思っていましたね。そういう気持ちだったからだと思うんですけど、試合の1週間くらい前から『KISS ME』が頭から離れないんですよ(笑)。
──ハッハハハハ!!
石田 あのエア氷室の踊りと『KISS ME』がず〜〜〜〜〜っと頭から離れないんです(笑)。いち格闘家としてよりいち人間として負けられないという思いでしたよね。「ここで負けたら、俺、終わるな」と思って、だから減量がうまくいってないときはすごく不安でしたし、DJ選手はやる前はタイプ的にあまりやりたくないなという選手の中の一人だったんで、とにかく勝って良かったなと。
──でしょうね(笑)。
石田 というか、「宮田(和幸)さんとの試合で何を学んだの?」って話じゃないですか。宮田さんとの試合からだいぶ経っているし、K-1に出ていたとかはそれは勝手な言い分で、その間に総合の練習もできるわけじゃないですか。なかなかいないですよね、あれほど言い訳する選手は。だからもう、もし結果出てなかったらということを考えると……恐ろしいですね(笑)。
──しみじみと実感されていますね(笑)。
石田 すみません、話を戻してください(笑)。
──また何かあればぜひ(笑)。試合序盤に腕ひしぎ十字固めのチャンスがありましたね。
石田 焦って極めにいっちゃったんで、あそこはダメでしたね。仕掛けにいったことはいいんですけど、もっと冷静にやらないといけない部分でした。
──その仕掛けも早かったですし、すごく調子がよさそうに見えました。
石田 調子よかったですね。試合直前はもちろん緊張するんですけど、そこまでは緊張がないくらいリラックスできて、いい精神状態でリングに上がれたと思います。
──完勝だったと思うんですけど、石田選手としてはどうですか?
石田 極められるチャンスはたくさんあって、向こうのディフェンス能力が高いというのもあるんですけど、やはり極めきれなかったのがダメですね。ポジショニングがよくても極めないとやっぱりお客さんも面白くない部分もあったでしょうし、もっと技の精度をあげないといけないというのが今後の課題です。
──今後フェザー級で闘っていく上での手応えという部分ではどうですか?
石田 まだ手放しでは喜べないですね。自分の中で、この選手とこの選手に勝てたらフェザーでやっていける自信が付くんだろうなという選手が2〜3人いるので、その選手が誰かは言えないんですけど、その選手たちと闘っていい結果が出せれば自信になると思っています。
──その選手たちというのはそれぞれタイプが違うんですか?
石田 違います。ほんと手強い選手だと思います、はい。
──今大会から小見川道大選手が参戦しましたし、宇野薫選手もDREAMフェザー級で闘っていくことを表明しました。DREAMフェザー級はますます群雄割拠の状態になっていきます。
石田 ほんと強い選手が多いです(苦笑)。星の取り合いになるでしょうね。みんな横一線なので、ちょっとしたことで勝敗が変わるような、それくらい実力が拮抗していると思うので、その中で結果を出していきたいと思っています。
──そういえば、JBスポーツで一緒に練習されている高谷裕之選手や大沢ケンジ選手も同じフェザー級ですね。
石田 そうなんですよ。だから、早く65と60、もしくは61に分けてほしいです。お願いします、笹原さん(笑)。
──ということです、笹原さん(笑)。当然、狙うはベルトになると思うのですが。
石田 まだスタートしたばかりなので、現時点ではそこまでは意識していません。いずれそういうふうに言えるときがくればいいなと思っているので、それまでにある厳しい星取合戦でなんとか星を奪いたいですね。もちろん、言葉は悪いですけど、割り込みしたいという気持ちも持っているので、いつでも割り込める準備はしておきたいと思います。
──次の試合はいつくらいにやりたいですか?
石田 11ヵ月間も充電させてもらったので、もしできるならばすぐにでもやりたいです。9月(9・25『DREAM.16』日本ガイシホール)とかでも空きがあったら入れていただきたいですね。そこも割り込み精神でいきたいと思います(笑)。
──強引にグイグイ行く石田選手に期待しています(笑)。それでは最後にファンへメッセージをお願いします。
石田 7月の試合は本当に応援ありがとうございました。また次も頑張りますので応援よろしくお願いします。