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2010年5月29日

5・29『DREAM.14』さいたまスーパーアリーナ大会
出場ファイターの試合後のコメント PART.6

熱戦が続いた『DREAM.14』(さいたまスーパーアリーナ)。激闘を終えたファイター達の試合後のコメント、そして笹原圭一DREAMイベント・プロデューサーの大会総括をお届けする。
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■桜井“マッハ”速人「多分、誰とやっても勝てないですね」

──率直な感想をお願いします。
マッハ いやぁ、なんか全然ついてないっていうか、青木くんとやって以来、本当にダメですね。本当にダメだとわかってんですけどね。そういう期間なんでしょうね、きっと。内容的には……まあいいや、聞かれてねえから。
──最後の十字はどうだったんですか?
マッハ 普通は回って、ターンして抜けるのがボクのパターンなんですけど、抜けられなかった。減量の難しさもあった。甘かったです。相手の土俵でやるもんじゃなかった。UFCじゃあるめえし。
──勝てそうな試合にも思えたんですけど、マッハ選手的には手応えはどうだったんですか?
マッハ いや、どう見たって、パンチもヒザも当たっていて、向こうもいつものパンチを打ってこれないぐらいプレッシャーをかけられたんですけど、試合の難しさがあそこに出てしまったというか。まあ、しょうがないですね。あそこで本当に勝たないとダメなんですよね。やっぱ甘かったですね。ゲージ(発音ママ)とリングでは全然違いましたね。俺はリングの専門家なんで、ゲージはマット・ヒューズ以来やっていなくて、テクニックも全然違うタイプで、難しかったですね。でも、ゲージじゃなくても極められたかもしれないな。大晦日もそうだったし。顔にパンチ一発ももらわずに負けるのは嫌ですね。肉体的に疲れてないけど、精神的に疲れた。
──試合後にレフェリーに何か話されていましたけど、抗議をされていたんですか?
マッハ 抗議じゃなくて、「すいません」って言ったんです。「ごめんなさい」って。勢いは俺だったのに、流れも。同じ日本人で身近にいた人だったんで。
──またケージで試合は?
マッハ ゲージ? もうやりたくねえ。つまんない。今さら新しい挑戦はしたくない。もっとリングのほうがエキサイティングですね。いろいろ動けるし。ゲージは壁なんで、リングほど動きを作るのが難しい。ゲージ際で膠着して、他の試合もそうだったけど、あの時間は無駄ですよね。かといって、ああいう新しいことをやるとテクニックとかになってくる。はぁ、ダメですよ、俺はもう本当に……。はぁ……。
──試合前にいろいろと(引退のことなどを)おっしゃっていましたけど、今後はケージでの試合を引退して、リングの専門家になるということですか?
マッハ ハハハハハ! 一寸先は闇ですからね。ちょっといま運が悪いんで。まあ、俺の実力でしょうけど、今日も勝てる試合だったんですけど、それがああなっちゃうんで、自分が嫌になっちゃいますよ。多分、誰とやっても勝てないですね、今後は。


■笹原圭一DREAMイベント・プロデューサーの総括

笹原 まだ正直、(気持ちの)整理がついてない感じではあるんですけど、DREAMのこれからの方向性だとか、リングorケージなのかとか、競技的なところも含めて、たくさん問題提起ができたイベントだったなと思います。それは逆に言うと僕らがもっと考えなくてはいけないことだと思うんですけど、これから日本の格闘技を盛り上げるポイントをたくさん見つけられた大会だったんじゃないかというのが、今の一番の感想です。各試合いろいろポイントがあったと思うんですけど、一番はメインのマッハvsニック・ディアスだったと思います。非常に残念な結果だったんですけど、イベントの作り手側の目線からすると、むしろこの結果のほうがまだまだこの先があると思った試合でした。マッハ選手が負けました、青木選手も負けています、(マリウス・)ザロムスキー、メルヴィン(・マヌーフ)、石田(光洋)選手も負けている。ストライクフォースには5つ6つ星の貸しがあるので、これをこの後、返しに行くという。それだけだと思います。それは当然、リング、ケージ上の闘いだけじゃなくて、私たちプロモーター、イベントを作る側としての力も含めて、取り返しに行くと。今日は敗北でしたが、改めて今日から、DREAMがそうしたものを取り返しに行く宣言をしたいと思います。その一つが今日発表しました青木真也選手と川尻達也選手のタイトルマッチ。紐解けば本当にいろんなドラマや歴史が詰まった試合で、多分、ファンの方々もいろんな思い入れがあると思うんですけども、ある意味、一つのDREAMの総決算の試合を『DREAM.15』で見せられればなと思います。プラス、vsストライクフォースもそうですし、リングなのかケージなのかということも含めて、また『DREAM.15』で今日以上のものを見せられるように頑張っていきたいなと。むしろ胸を張って言いたいなと思っています。
──桜庭vsハレックでドントムーブのような状態になりましたけど、あの状態というのは何が起こっていたのでしょうか?
笹原 私もまだ詳細を確認できていないんですけど、どうも足が引っ掛かってスパッツが脱げそうになったと。難しいんですけど、脱げても最悪アンダーパンツを履いているので、いわゆる放送事故的なことはなかったと思うんですけど、まさかケージでストップドントムーブみたいなのが出てしまうとは。桜庭vsグレイシーは過去いろんな問題的がありましたけど、ここでもそんなことが起こるのかというのが正直な感想です。多分、UFCもそうですし、ストライクフォースもそうだと思うんですけど、あんなことになったことってないと思うんですよね。当然、ルールにも謳ってないですしそこまでは想定していなかったので、あの事態が起こってしまったということですね。レフェリングの技術が低いと言われればそれは甘んじて受け入れるしかないですし、あらゆる場面を想定することが我々の務めだと思っているので、次の課題としてこういうことがないようにしていきたいなと思います。
──スプリットの判定が続いたことに関しては、ケージの形状とかが影響したと思われますか?
笹原 関係ないんじゃないですかね? どっちが勝ってもおかしくないような内容でしたので、そこはあまりリング、ケージは関係ないのかなと思いますけど。
──スプリットになってしまった判定基準についてはいかがですか?
笹原 微妙ですよね、すごく。個人的に見ていて宮田vs大塚はやや大塚選手が有利かなと思ったんですけど、それは当然、私の個人的な主観なので、ジャッジがあのように判断したのであれば、そのとおりですよね。2-1というスプリット。本当にどっちが勝ってもおかしくなかった試合だったと思います。
──KID選手の試合についてと、これからのKID選手については?
笹原 KID選手は、DREAMにとってもそうですし、日本の総合格闘技にとってもそうだと思うんですけど、やっぱり太陽みたいな存在だと思いますので、彼が勝つと明るくなりますよね。当然、この後すぐチャンピオンシップという話ではないので、今後もっと強い相手と闘って、ベルトに向けて闘っていってほしいなと思います。
──ニック・ディアス選手が、相応のファイトマネーをもらえれば青木選手と闘いたいということを言っていたのですが。
笹原 減量するってことですか? 無茶苦茶なこと言ってますね(笑)。現実的には体重が合わないのであれですけど、もちろん、今回ニック選手は勝ちましたけど、当然、このまま逃がしませんから。絶対にもう一度このリングに上げて試合をしてもらいます。それがザロムスキー選手とのタイトルマッチなのか、それとも我こそはという選手が出てくるのか分かりませんけど、ある意味、ニック選手という大きな目標ができたわけですから、同じ階級、もしくは近い階級の選手は彼を目指さなきゃ嘘ですよね。あと、今回のニック選手もそうですし、ナッシュビルでの青木vsメレンデスもそうなんですけど、ストライクフォースというものが、海の向こうのイベントだということはもちろん皆さん分かっているんですけど、まだぼんやりとしていたものが、前回青木選手が負けました、今回マッハ選手が負けましたということで、思った以上に強敵で巨大な軍団なんだということが、日本のファンの方々に改めて印象づけられたことは、一つの収穫かと思います。
──ニック・ディアス選手が、次やるときはリングでやりたいと言っていたのですが。
笹原 本人が前々日の個別の中で「日本はリングでやるべきだ」と言っていましたが、彼なりのリングへのこだわりがあると思うので、別にリングでやること自体はいいのかなと思います。
──逆に、ケージではやりたくないと。隙間があってそこに挟まる可能性があるということを言っていたのですが。
笹原 当然、DREAMのケージとストライクフォースのケージは違うので、今回闘っていただいた選手からご意見を聞いて、改良しなければいけないところは改良していきたいと思います。結局、面白い選手はリングだろうがケージだろうが面白いし、ニック選手は多分、どっちで闘っても魅力的な選手だと思います。