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2009年12月24日

「オレには、言ってみれば“ジェラシー”がある」
郷野聡寛インタビュー

12・31『FieLDS Dynamite!!〜勇気のチカラ2009〜』(さいたまスーパーアリーナ)にて行われるDREAMvsSRC対抗戦で、SRC代表として桜井“マッハ”速人と対戦する郷野聡寛にインタビュー。SRCウェルター級屈指の実力者がマッハ戦に向けての意気込みを語った。【取材日:2009年12月15日】

■「自分の弱さを認めることができる男なんですよ、オレは」

──12・31『FieLDS Dynamite!!〜勇気のチカラ2009〜』(さいたまスーパーアリーナ)出場が決定しました。今の率直なお気持ちを聞かせてください。
郷野 普通に真面目な話をすると、どの試合も自分にとっては一緒なんですよね。カタい話になっちゃうんですけど、常に自分のやるべきことを積み重ねていって、いつでも試合ができるようなコンディションをキープして、試合が決まったら少し息上げとか有酸素系をやって臨むだけなんで。で、舞台の大小に関わらず、誰が相手でも自分のスタイルで勝ちたいというのは変わらない。今回の試合が決まって多少は嬉しかったけど、そこまで心の動きはなかったから、オレも35になってだいぶ達観に近付いてきたなと(笑)。
──20代の頃とは違いますか?
郷野 全然違いますね。PRIDEのときも、オレが主役の一人になれたっていうときから地上波がなくなっちゃって、だから、そういうのを経験しているうちに……なんだろうな、一種の“諦め”なんですよね。“諦め”“開き直り”、なんだかわかんないけど、前だったら「大晦日の地上波で映るかもしれない!」ってなったら周りに電話して「見てね」って言ってたと思うんですけど、誰にも電話をしてないんですよね。電話する人がいないっていう寂しい環境に自分がいるっていうのもあるんですけど(笑)。
──先月25日の会見のときからアピールをされていましたが、対戦相手は桜井“マッハ”速人選手に決定しました。
郷野 修斗でデビューしたときからマッハはずっとオレの遥か先を走っていて、あいつはスターだったし、オレはそういうふうになりたかったけどなれなかった。でも、オレの中では「これまで積み重ねてきたものは、マッハを超えていてもおかしくない」という思いがあるから、それを確認するという意味では、やる気は十分あります。友達なんだけどね。修斗で一緒にやってた頃から洋服屋に行ったりとか、ご飯を食べに行ったりとか、夜にちょっと遊びに行ったりとかもしてたし、だから、向こうはまだ闘う気持ちになりきれてないと思うんですよ。でもオレには、言ってみれば“ジェラシー”がある。ジェラシーを感じなくてもいいところまでオレは来てると信じてるけど、それはぶつけたいなっていう。まあ、逆恨みですよね(笑)。
──郷野選手と言えば、試合もそうなんですけど、プロとして観客側の気持ちも汲み取るというか、そういう感じで総合格闘技というものを捉えている感じがします。
郷野 やっぱり入場と、試合と、マイク、全部使って楽しんでもらえたらなっていう。オレは、派手なKOとか、華麗な一本とかで勝つ試合ってそんなにないので、その中で自分をどう見てもらえるか、楽しんでもらえるかっていうと、みんながやってないところの隙間なんですよね。隙間産業です(笑)。まあ、ある意味で、そこも諦めなんですよ。オレはそういう星のもとに生まれてるんだと。脇役だと。でも、脇役なりにできることを一生懸命やっていこうという。それが揺るぎない自分の軸になっちゃいましたよね。だって、オレの中では、試合だけで見せられるヤツっていうのは、入場も必要ないし、しゃべりも必要ないと思ってるから。でも、オレはそれだけじゃ厳しかったというのがあったから、どれだけ楽しんでもらえるかっていうのを考えて始めたのが、ああいうやり方だったんです。ある意味、自分の弱さを認めることができる男なんですよ、オレは。
──そういった部分で今回も、大晦日という注目を集める舞台なのでファンも期待してると思います。
郷野 これだけの大きい舞台じゃないですか。僕だけの力でどうにかできるものじゃないですからね。ただ、試合が決まったのが昨日で、これから伺い立てをしなくちゃいけないんで、時間がないんですよね。どうなるかわかんないんですけど。
──ちなみに、戦極で行ったパフォーマンスの反応はどうだったんですか?
郷野 戦極ではスベりました。スベった上に、長い時間意識が戻らないという派手なKO負けをして、大失敗しましたね(笑)。なので2戦目(辛拉麺戦)は反省して、静か〜に入ってきて、静か〜に勝ちました(笑)。
──UFCでは矢島美容室で盛り上がっていましたよね。
郷野 あれはアメリカでしたからね。なんでもいいんですよ、アメリカ人は。派手にやったら、大喜びしてくれましたからね(笑)。

■「試合で自分だけが光れれば、それでいいんですよ」

──大晦日の大会に出場することに関して特別な思いはありますか?
郷野 やっぱり幸せですよね。それは本当に思います。オレが格闘技を始めたときに、格闘技がこんなに盛り上がるなんて想像もつかなかったから、その頃からすればオレも随分遠くまで来たなっていう感じがします。本当に幸せですよ。会場の大きさからして違うし、注目度も違うじゃないですか。世間の人が格闘技に一番注目してくれる日ですからね。でも、そういう状況に左右されずに、自分のやりたいことをしっかりできる、足元を見失わない自分で臨みたいですね。そうすれば、マッハには十分勝てると思う。あいつがオレに口を利いてくれないくらいまでボコボコに殴れると思う。コテンパンにやっつけることができるんじゃねえかなって思う。試合で自分だけが光れれば、それでいいんですよ。別に、相手を光らせようとか、友達だからとか、いい試合をしようとかっていうのはないかな。やっぱり一方的にやっつけて、「ホント、もう郷野さんとは二度とやりたくない」って思ってもらえるくらいの……「思ってもらえる」って言っちゃ駄目だよね(苦笑)。思わせるぐらいのことをやらないと。
──マッハ選手も会見で同じように返していましたよね(笑)。
郷野 何も言うことを考えてなかったんだと思います(笑)。ただオレのをパクっただけで(笑)。
──なるほど(笑)。勝って、そして気持ちよくお正月を迎えたいと。
郷野 無傷で終わって、充実感とともにダラダラすごしたいですね。今年の夏みたいに、次の日に目が覚めたら病院の救急病棟だったとかはホントに勘弁です。絶対そうならないようにします。

【『FieLDS Dynamite!! ~勇気のチカラ2009~』対戦カード】
■DREAMvsSRC対抗戦
山本“KID”徳郁(日本/KRAZY BEE)vs金原正徳(日本/パラエストラ八王子/チームZST)
■DREAMvsSRC対抗戦
所英男(日本/チームZST)vsマルロン・サンドロ(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
■DREAMvsSRC対抗戦
高谷裕之(日本/高谷軍団)vs小見川道大(日本/吉田道場)
■DREAMvsSRC対抗戦
川尻達也(日本/T-BLOOD)vs横田一則(日本/GRABAKA)
■DREAMvsSRC対抗戦
青木真也(日本/パラエストラ東京)vs廣田瑞人(日本/フリー)
■DREAMvsSRC対抗戦
桜井“マッハ”速人(日本/マッハ道場)vs郷野聡寛(日本/GRABAKA)
■DREAMvsSRC対抗戦
柴田勝頼(日本/LAUGHTER7)vs泉浩(日本/プレシオス)
■DREAMvsSRC対抗戦
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリー)vs藤田和之(日本/藤田事務所)
■スーパーハルクトーナメント〜世界超人選手権〜 決勝戦
ミノワマン(日本/フリー)vsソクジュ(カメルーン/チーム・クエスト)
■SRCヘビー級ワンマッチ
吉田秀彦(日本/吉田道場)vs石井慧(日本)
■魔裟斗引退試合/K-1ルール(3分5R延長1R)
魔裟斗(日本/シルバーウルフ)vsアンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング オランダ)
■K-1ヘビー級ワンマッチ
西島洋介(日本/AK)vsレイ・セフォー(ニュージーランド/レイ・セフォー ファイト アカデミー)
■K-1甲子園準決勝戦/K-1甲子園ルール
HIROYA(セントジョーンズインターナショナルハイスクール/3年)vs野杁正明(至学館高等学校/1年)
■K-1甲子園準決勝戦/K-1甲子園ルール
嶋田翔太(私立西武台高校/3年)vs石田勝希(初芝立命館高等学校/2年)
■K-1甲子園決勝戦/K-1甲子園ルール
HIROYA×野杁正明の勝者vs嶋田翔太×石田勝希の勝者
■K-1甲子園リザーブファイト/K-1甲子園ルール
藤鬥嘩裟(勇志国際高校/2年)vs日下部竜也(愛知県立豊田高校/2年)