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2009年10月26日

桜庭、検査の結果は「異常なし」。大晦日出場の可能性は!?
『DREAM.12』一夜明け会見

10月26日(月)、大阪市内のホテルにて、前夜に開催された『OLYMPIA DREAM.12』(大阪城ホール)の一夜明け会見が開かれた。会見には笹原圭一DREAMイベントプロデューサーと、昨日の試合で勝利した桜庭和志、マリウス・ザロムスキー、アリスター・オーフレイム、柴田勝頼、エディ・アルバレス、弘中邦佳、ユン・ドンシク、宮下トモヤ、前田吉朗の全9選手が集合。一夜明けての感想と、次なる闘いに向けての抱負を語った。

昨日の『DREAM.12』はDREAMとしては初のケージを導入しての大会だったが、試合も白熱した内容が続き、笹原EPも「どうなることかと思ったんですが、ふたを開けてみたら、DREAMの1年を締めくくるのに相応しい内容となりました」と満足げ。会見後の囲み取材では、「大晦日もケージでやろうかな」と語るなど、かなりの手応えを掴んだ様子だった。

実際に闘った選手たちの評判も上々だ。アリスターが「色も気に入りました」と語れば、アルバレスも「柔らかくてケージに押さえつけられてもケガすることもないし、相手をテイクダウンして押し込んでもケガさせることを気にする必要がありません。反発力もあるし、それを利用して上手くポジションをとれるので、メリットもあります」と気に入った様子。前田に至っては、「ストレスを感じさせないぐらい広くてやりやすかったです。これからもドンドンケージをお願いします」と笹原EPにお願いするほどだった。

また、ゼルグ“弁慶”ガレシック相手にヒザ十字固めで大逆転の一本勝ちをおさめながら、試合中にパウンドを打たれ続けたため、試合後にはノーコメントで病院に直行していた桜庭も元気な姿を見せた。病院での検査の結果、側頭部が腫れている以外は脳や骨に異常はなしということで一安心。弁慶のパウンドは、「あまりの痛さに考えちゃいました、ギブアップしようか」というほど強烈だったようだが、それを凌いでの勝利で改めて底力を見せつけた恰好だ。

そこで気になるのが約2ヵ月後に迫った大晦日『Dynamite!!』への出場だ。本人は「今のところ厳しいんじゃないですかね?」とコメント。笹原EPも、囲み取材で「弁慶に勝ったし、ケガもないんだから出てくれとはボクは言えないですね。ちょっと様子を見たいです」と、短いスパンで連戦をこなしたベテランの大晦日出撃に慎重な態度を取っていた。ただし、本人が出るという気持ちになれば別。「もし、出ていただけるなら、大きなテーマのある相手を用意させていただきます」と、ビッグカードを組むことを示唆。その中で笹原EPが候補に挙げたのが、グレイシーの第3世代の戦士たちだ。

最近、ホーレス・グレイシーがUFCと契約したように、ヒクソン・グレイシーやホイス・グレイシーより若い世代のグレイシー一族の台頭が目立つ。桜庭がブレイクするきっかけとなったのは当時最強と言われたグレイシー一族を次々と撃破したからこそ。そんな因縁のある一族から、若いグレイシーが桜庭狩りに名乗りを上げてきてもおかしくはない。果たして、桜庭の大晦日出場はあるのか? 中18日の連戦を2連勝で乗り切り、レジェンド健在ぶりをアピールした桜庭の動向は約2ヵ月後の大晦日まで目が離せなくなってきた。

一方、前田や柴田といった昨日、快勝をおさめた選手たちは既に気持ちは大晦日に向いている。前田が「大晦日はやっぱり試合をしたいので、よろしくお願いします」と笹原EPに改めて直訴すれば、柴田も「ダメージもないし、ケガもないので、ぜひ出たいです、大晦日」と鼻息荒く意気込んだ。また、笹原EPは、韓国人のペ・ミョンホを必殺のハイキックで一蹴し、ウェルター級王者としての実力を満天下に知らしめたマリウス・ザロムスキーを出場候補者にリストアップ。「2階級をとってもおかしくないぐらいのポテンシャルを感じますね」と、3戦連続でハイキックによるKO勝ちをおさめた王者への評価も高く、「DREAMで誕生した選手ですから、磨いていきたいですね」と注目を浴びる大晦日に出場させて、一気に知名度アップを図ろうという目論見だ。

なお、桜庭の足関節技により試合後は車イスに乗っていた弁慶だが、靭帯の断裂や骨折といった症状はなし。靭帯の損傷程度で済んだ様子だ。

ちなみに今回の『DREAM.12』のテレビ放送(25日深夜TBSで放送:関東ローカル)の視聴率は平均で1.7%、瞬間最高はアリスターvsトンプソンで2.7%だった。

以下、会見での選手のコメント。

■前田吉朗
「昨日、初めて日本のケージでやったんですけど、闘っててストレスを感じないぐらい広くてやりやすかったです。これからもドンドンケージをお願いします。ということと、(笹原EPに向かって)大晦日はやっぱり試合をしたいので、よろしくお願いします」

■宮下トモヤ
「昨日勝ったのでホッとしています。ただ、知名度がない分、内容で勝負したかったんですけど、それができなかったのが残念ですね。もっと練習して実力をつけて出直したいと思います」

■ユン・ドンシク
「昨日の試合はひどい惨憺たるものでした。早く忘れたいです。新たな気持ちでトレーニングをして、次回の試合ではファンの方に喜んでもらえる試合をしたいです」

■弘中邦佳
「試合直後は突然終わってしまって、不完全燃焼的な感じで泣いて悔しかったんですけど、一夜明けてこれも自分がやってきたパンチが目に当たって、目が見えなくなったことなので、打撃の努力をしていなければそういう結果になることもないし、これも自分の実力で勝ったと自信を持ちたいと思います。また、次はお客さんにアピールできる試合をしたいです」

■エディ・アルバレス
「昨日のケージは今まで体験したケージとは違う、プロの人の作ったケージでとても興奮しました。ただ、残念だったのは、やりにくいポジションで相手に捕まってしまったので、試合全体に影響して、思ったように動けなかったことです。そういう中でベストを尽くして頑張りました。今は首が痛いです。帰ったらカイロプロクターで治療をして、次に帰って来る時はもっといい試合をしたいですね。(ケージの素材については?)最初に“マトリックス”と聞いた時はアメリカで使用されているケージと近いのかなと思ったんですが、実際に体が当たった時に柔らかくて、弾みもありました。UFCとかとはそこが違いましたね。アメリカは非常に固いし、反発力がないですから。でも、このケージは柔らかいのでケージに押さえつけられてもケガすることもないし、相手をテイクダウンして押し込んでもケガをさせることを気にする必要もありません。反発力があり弾むので、上手くポジションをとれることを活用すればメリットがありますね。(三日月蹴りでダメージは受けた?)それに関しては練習してきましたので、特にダメージは受けていません。一回当たったんですけど、それで試合が決まるような強いダメージではありませんでした」

■柴田勝頼
「(※お酒を呑んで?)ちっと肝臓をやらています(笑)。あのう、移籍後初の試合にしっかりと勝てて良かったです。石澤さんに勝って恩返しできたことが良かったです。(大晦日には出たい? 試合後に石澤とは会話はした?)ダメージがないし、ケガもないので、試合はできます。ぜひ出たいです、大晦日。石澤さんとは挨拶に行って、『なんで倒れないんだ。倒れろ』っていう話をしました。試合で教えられたっていう感じがします」

■アリスター・オーフレイム
「いい試合でしたし、いいケージでした。色も気に入りました。ケガもなく勝てたことを嬉しく思います。これでK-1に専念できます。ただ、今は打撃の練習しかしていなかったので、もっと打撃の応酬になるかと思ったんですが、サブミッションで勝てたことを満足に思います」

■マリウス・ザロムスキー
「とても気分がいいですし、疲れていません。すぐに終わったので、短かったんですが、エキサイティングでした。ケージもとても良かったし、ケージで試合をしたこともあったのでケージに入ってびっくりすることはなかったです。イギリスやアメリカのケージは黒ですが、今回は白というのが違いました。白は幸運をもたらす色です。自分に幸運が巡ってきて良かったです」

■桜庭和志
「おはようございます。昨日の試合が終わって、同じようなことなんですが、相手選手が良くて、時間は長くなかったんですけど、自分にとっていい経験ができて良かったです。(検査の結果は?)脳みそとかに異常はなかったです。骨も異常なく、側頭部のところが腫れているので、もう一回東京に帰ってから病院に行ってくださいっていう感じで。すいません、今日はお酒が入っていなくて、全然面白くありません(笑)。(弁慶選手はずっと極まっていたと言っていたが、感触は?)自分の感触としては100%まで行っていない感じですね。9割ぐらいでちょっとずれているなって感じだったんですけど、取り合いやったら入っちゃうかなっていう感じでやってたんで。タップする気配もなかったんで、完全には入っていなかったと思います。(弁慶選手のパウンドも凄かったが?)手が長い分、まっすぐ降りてくるのが自分でわかったんで。それと試合前とかに握手したんですけど、手が厚かったので、この手で殴られるのは嫌だなっていうのはありましたね。意識はあったんですけど、あまりの痛さにちょっと考えちゃいましたね、ギブアップしようか。(大晦日は?)今のところ厳しいんじゃないですかね」