- 2009年9月18日
狙うは大晦日でのDREAMライト級王座挑戦!!
川尻達也「誰にも何も言わせないような結果を出す」- 9月18日(金)、茨城・T-BLOODにて記者会見が行われ、10・6『HEIWA DREAM.11 フェザー級グランプリ2009決勝戦』(横浜アリーナ)の追加対戦カードが発表された。
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発表されたカードは、【ライト級ワンマッチ】川尻達也vsメルカ・バラクーダ、【スーパーハルクトーナメント準決勝】ソクジュvsボブ・サップの2試合。また、同大会で中村大介とのライト級ワンマッチを予定していたJ.Z.カルバンが、練習中に膝を負傷し同大会を欠場することも併せて発表された。
会見には川尻、笹原圭一DREAMイベント・プロデューサーが出席。まずは、5・26『DREAM.9』(横浜アリーナ)でJ.Z.カルバンを下して以来、約5ヶ月ぶりのDREAM参戦となる川尻は、バラクーダ(大型の凶暴な肉食魚)さながらのアグレッシブファイトで、地元グアムでは絶大な人気を誇る獰猛ファイター、メルカ・バラクーダと激突する。笹原EPがバラクーダについて、「ひじょうにグラップリングが強い選手で、グラウンドスキルが高い」と評した通り、バラクーダはアマレス世界選手権に過去3度出場し、1999年には寝技世界一を決めるアブダビコンバットに出場してベスト4の成績を残している。さらに、その卓越したグラウンドテクニックは、現UFCライト級王者のBJペンも絶賛しており、自身のスパーリングパートナーに招き入れるほど。川尻にとっては厄介な相手となりそうだ。
この難敵バラクーダを迎え撃つことになった川尻は、「まずは、僕との対戦を受けてくれたメルカ選手に『ありがとう』と言いたいです。実際に試合まで期間も短いし迷ったりもしたんですけど、とにかく後悔のないよう、自分ができる精一杯のことをやりたいということでDREAMに出ることを決めました」と参戦への経緯を明かすと、「とにかく僕の今の気持ちは、DREAMライト級のベルト、それしか興味がないんで。対戦相手は(ヨアキム・ハンセン、青木真也の)どっちでもいいし、(二人は)脇役。俺が主役」と改めてタイトル獲りをアピール。そして、「今回、メルカ選手にいい勝ち方をして、ファンも関係者も、誰もが『川尻が挑戦者で文句なし』って言ってもらえるような試合をしたいと思います」と意気込みを語った。
バラクーダとの一戦を制し、同大会で行われるライト級タイトルマッチ、ヨアキム・ハンセンvs青木真也の勝者に挑戦状を叩き付けたい川尻は、「二人には思い入れがあって、ヨアキム選手とは2006年に修斗のリングで対戦したんですけど、不本意な結果になったんで完全決着をつけるという形になる。青木選手は、PRIDEがなくなって、一年間辛い時期を一緒にすごしてきた戦友という意識もあるし、DREAMが始まってからはお互いにDREAMを盛り上げてきたという意識もあるんで感慨深い気持ちなんですけど、とにかく対戦が決まったら、どっちだろうと僕にとってはベルトが一番大事なので、全力で叩き潰したいと思います」とコメント。そのためにもバラクーダとの一戦は負けが許されない闘いとなるが、これには川尻も「とにかく絶対に落とせない一戦なので、しっかり勝って、誰にも何も言わせないような結果を出したいと思います」と気を引き締めた。
一方、DREAM初参戦でいきなり川尻と対戦することとなったバラクーダは、「カワジリは確かに尊敬に値する世界のトップファイターだが、私も世界のトップ柔術家や世界のトップレスラーと闘ってきた豊富な経験がある」と自信満々のコメント。この言葉通り、これまで桜庭和志、山本“KID”郁徳、BJペンら名だたるMMAのスーパースターたちとトレーニングを積んだ経験があるバラクーダは、「彼らのテクニックのエッセンスをすべて吸収している。だから、カワジリに知らないことはあっても、私には一切ない。KIDヤマモトのように激しく、サクラバのように華麗に、BJのように完璧なファイトをお見せできるだろう」と、挑発的なメッセージを川尻に向けて送っている。この挑発メッセージを笹原EPから伝え聞いた川尻は、「(バラクーダの)顔も知らないんで、知らないことだらけですけど」と一笑に付すと、「今回は相手を気にしないで、カルバン戦もそうなんですけど、ちょっと賢い闘い方になりすぎてたんで、賢い闘い方もしつつ、仕留めるところで躊躇なく仕留めれるように、初心に返って自分を確認したいなと思います」と完全勝利を誓った。
今年7月にはK-1MAXにも参戦し、年内限りでの引退を表明しているMAXのエース・魔裟斗と激闘を演じた川尻。これに関して、「K-1に出たことで知名度はだいぶ変わりましたね。たくさんの人に声を掛けられるようになったし」と笑顔を見せた川尻だが、「でも、MMAの選手としては、相対的に見ると下がっていると思うので。打撃だけに特化しているのでその他の部分が疎かになるので、その部分をどれだけ煮詰めるかというのは課題になると思う。やっぱり俺はMMAのほうが好きだし、MMAにやりがいを感じているので、その辺はMMAファイターとしてしっかり地力を上げて、リングの上で表現したい」と真剣な表情でコメント。やはりそれだけ魔裟斗戦で得た経験は大きかったようで、「魔裟斗選手の凄さを肌で実感できたし、MAXの中心として闘ってきた選手ですから、DREAMを盛り上げるためにもああいう存在は必要だと思うし、それに自分がなりたいと思うし、ならなければいけないと思う」と“DREAMの顔”になることをアピールすると、「MMAでは、今年の主役は俺が獲るし、『DREAM=川尻』となるような結果、ファンへの認識を残したい」と2009年の主役獲りを宣言した。
そうなると気になるのは、大晦日に開催が予定されている『Dynamite!!』でのタイトル挑戦だが、これに関して川尻は「(バラクーダ戦に)勝ったら文句ないですよね?」と直球すぎる質問を笹原EPにぶつけると、これに対して笹原EPは「大晦日にライト級タイトルマッチをやるってことですよね? それはちょっと考えるな〜」と苦笑い。しかし、「でも、ライトはタイトルが決まってから、ヨアキムのこともあって、長い間防衛戦をやってなかったので、10月、年末と立て続けに防衛戦ができれば面白いかな」と一定の理解を示すと、「(川尻が)次のメルカ戦をクリアできればタイトルマッチというのも」と『Dynamaite!!』でもライト級タイトルマッチが実現する可能性を示唆した。この笹原EPの回答に、「もし年末にタイトルマッチを組んでもらえなかったら、『紅白』出場を狙います」とジョークを飛ばした川尻だったが、やはり年内のタイトル奪取をなんとしてでも成し遂げたいというのが本音。果たして、川尻は難敵バラクーダを撃破し、年内のライト級タイトル奪取&主役獲りを果たすことができるのか!?
また、会見では、スーパーハルクトーナメント準決勝のソクジュの対戦相手がサップに決定したことに関して、笹原EPは「ソクジュ選手の相手に関しては1回戦に出場した選手の中からと考えていたんですけど、ボブ・サップ選手に決定しました。サップ選手は1回戦でミノワマン選手に敗れているんですが、本人から『もう一回チャンスをくれ』という強い要望がありまして、それならということで決定に至りました」とサップに再チャンスを与えることとなった経緯を説明。スーパーハルクトーナメントにふさわしい“野獣対決”がここに実現する。
さらに、中村大介とのライト級ワンマッチでの対戦が予定されていたカルバンは、練習中の負傷により残念ながら欠場。気になるケガの程度だが、古傷の左ヒザとは反対側となる右ヒザの骨折ならびに半月板の断裂で、1ヶ月の安静を要する重傷であることが、笹原EPから明かされた。また、カルバンのケガの全治に関して、笹原EPは「回復具合にもよりますが、半年、早くても3、4ヶ月はかかるのではないかという状況です」とコメント。一刻も早い復帰が期待される。なお、これに伴い中村の対戦相手は現在調整中とのこと。決定次第、発表される予定だ。
以下、バラクーダ、サップ、カルバンのコメント。
■メルカ・バラクーダのコメント
「まずはDREAMで戦うチャンスをくれた方々に心より感謝したい。そして、私から逃げずにこの試合を受けてくれたミスターカワジリに対しても感謝の気持ちを表したい。カワジリは確かに尊敬に値する世界のトップファイターだが、私も世界のトップ柔術家や世界のトップレスラーと闘ってきた豊富な経験がある。さらに、ミスター・サクラバ、ミスター・KIDヤマモト、 BJペンといったスーパースター等と激しいトレーニングを積み、彼らのテクニックのエッセンスを全て吸収している。だから、カワジリに知らないことはあっても、私には一切無い。KIDヤマモトのように激しく、サクラバのように華麗に、BJのように完璧なファイトをお見せできるだろう。グアムの人々、そしてファイターたちを代表してこの試合に臨み、ベストを尽くすことを誓う」
■ボブ・サップのコメント
「ムサシの欠場を聞いて真っ先に手を挙げた。一回戦のミノワマン戦では、自分の力を出し切る前に終わってしまったので、是非もう一度チャンスが欲しいと主催者に訴えたところ、こうして再びハルクトーナメントで闘えることになった。対戦相手のソクジュは非常に強い選手だ。しかし、ビーストの底力でソクジュを倒し、一気にハルクの頂点に立ってみせる」
■J.Z.カルバンのコメント
「親愛なる日本のDREAMファンの皆様。今回、このようなコメントを出すようなことになるとは全く想像していませんでした。中村戦のカードが発表された時、日本の格闘技ファンの反響が非常に大きかったと聞いています。それだけ期待されていたにも関わらず、怪我で欠場しなくてはならないことは残念でなりません。私自身も中村戦に向けて充実した練習ができていたのですが、元々痛めていた膝と反対の膝を練習中に負傷してしまいました。対戦する予定だった中村大介選手、DREAMの主催者、関係者の皆様、そして何よりもこの試合を期待してくれいたDRAEMのファンの皆さんには、心よりお詫び申し上げます。必ず怪我を治してDREAMのリングに戻ってきます」
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