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2009年4月10日

「自分さえしっかりやっていれば、相手は気にならない」と余裕のKID!!
チケット料金も値下げ!! 5・26『DREAM.9』フェザー級GP2回戦4カードが決定!!

4月10日(金)、都内・八芳園にて記者会見が行われ、5・26『OLYMPIA DREAM.9 フェザー級グランプリ2009 2nd ROUND』(横浜アリーナ)で行われるフェザー級グランプリの2回戦の対戦カードが発表された。
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本日の会見ではまず初めに笹原圭一DREAMイベント・プロデューサーから、フェザー級GPベスト8ファイターの一人であるDJ taikiのケガによる欠場の発表があった。DJは2・10『新春!DEEP&CMAファン感謝祭』で激戦となった昇侍とのフェザー級グランプリ出場者決定戦に勝利。この試合で負った負傷も癒えぬままに、先日の4・5『DREAM.8』で所英男とフェザー級GP1回戦を闘っていた。試合では所に見事勝利したDJだったが、昇侍戦で負傷していた右目の眼窩底を殴られ、さらに症状が悪化。右目の眼窩底骨折を負い、医師の判断でドクターストップがかかり、2回戦は無念の欠場となってしまった。

DREAMのGPルールでは、勝利した選手が出られない場合は、代役としてまずその選手に敗戦した選手に勝ち上がりの権利が与えられる。幸いにも所は、ダメージを負うようなKO負けではなく、判定による敗北であった。そのためにDREAM側もDJの代役を所に決定。所は敗者復活で2回戦に進出することになった。

そして、この所とシード扱いとなっていた山本“KID”徳郁を含めた8選手による2回戦の対戦カードが笹原プロデューサーより発表された。

【DREAMフェザー級GP2回戦】山本“KID”徳郁vsジョー・ウォーレン
【DREAMフェザー級GP2回戦】所英男vsエイブル・カラム
【DREAMフェザー級GP2回戦】前田吉朗vs高谷裕之
【DREAMフェザー級GP2回戦】今成正和vsビビアーノ・フェルナンデス

まず、注目のKIDは、レスリングで世界選手権優勝という実績の持ち主であるアメリカのウォーレンと対戦。元々、KIDは今GPにおいて、アメリカの総合格闘技団体WECで元世界バンタム王者だったチェイス・ビービとの対戦を望んでいた。しかし、そのビービは1回戦で、これが総合格闘技デビュー戦となるウォーレンに敗戦。ならば、ビービを破ったウォーレンとの対戦が妥当と主催者側も考え、このカードが決定した。

その他、敗者復活となった所は1回戦で西浦“ウィッキー”聡生を破ったKOTC王者のカラムとの対戦が決定。前田と高谷は同じ打撃が得意な者同士で日本人対決を行う。そして、今成はビビアーノとグラウンド巧者同士の寝技合戦に挑むことになった。

会見にはKID、前田、今成の3選手が登場し、それぞれ意気込みを語った。07年の大晦日以来、およそ1年半ぶりにリングに復帰するKIDは、「早くやりたくてしょうがない」と、久々の試合を前に喜びの表情。しかし、昨年は『DREAM.5』でジョセフ・ベナビデス戦を行う予定だったにもかかわらず、練習中に足を負傷して直前で試合を欠場した経緯がある。そのため、「万全にして、前回のように何日か前にケガしないように落ち着いて、試合に向けて頑張ります」と気を引き締めることも忘れなかった。対戦相手のウォーレンについては、「やっぱ、世界選手権に優勝したということは凄いこと。全日本で優勝するのも凄いと思っていたから、どんだけ力持ってんのか、組んでみたら分かると思う」と同じレスリング出身者として、その実績には敬意を払ったKID。しかし、「自分さえしっかりやっていれば、相手は気にならない」と余裕も漂わせていた。

また、高谷と対戦することになった前田は、高谷が所用で会見を欠席したことに不快感。しかも、寄せられたコメントが、「自分らしい試合をするだけです!!」とあまりにも短かったことにさらに怒りを増幅させ、「僕は早起きして新幹線で大阪から来たのにナメてんすか!」と声を荒げていた。

一方、フェルナンデスとの寝技師対決を行う今成は、「前回はスッキリしない試合しちゃってストレス溜まったけど、ビビアーノ選手は噛み合うかもしれない可能性があるので、一本極めたいと思います」と一本勝ちを宣言していた。

また、この日の会見にはFEGの谷川貞治K-1イベント・プロデューサーも出席。世界的不況が騒がれる中、DREAMも今大会よりユニクロや西友、セブンイレブンなどの企業にならって、チケット料金の値下げに踏み切ることを発表した。今回の料金値下げは、総合格闘技をより多くの人に見てもらいたいという希望から踏み切った処置。しかし、値段は下げても試合のクォリティーは下げない。笹原プロデューサーも、「値段は下げても中身はハイクォリティー、いや今以上にクォリティーを上げていくつもりです」と自信満々に言い切った。また、今大会は大会当日に全国TBS系列でゴールデンタイム放送されることから、フェザー級GP以外のカードも、お茶の間に馴染みのある選手が出て来るような「超ド級」のカードや、タイトルマッチ級のカードを並べるという。低価格ながら中身は超豪華という今回の『DREAM.9』。「超ド級」のカードについては来週にも発表があるという。果たして、どのようなカードが並ぶのだろうか?

以下、会見での選手のコメント&囲み会見の模様、会見には出席しなかったフェザー級GP2回戦進出選手のコメント、笹原EP&谷川EPの囲み会見の模様、2009年DREAM大会スケジュール。

【会見での選手のコメント】

■前田吉朗
「え〜と、番長(高谷のこと)はなんで来てないんすか? 僕は大阪から朝早く起きて新幹線で来たのに。コメントも短いし。ナメてんすか? まあ、1回戦のことではブーブー言われてますけど、緊張して50%ぐらいしか力は出せなくて、ストレスが溜まっています。いい試合を期待しないでください。番長とバッチバチにやり合います」

■今成正和
「前回、スッキリしない試合しちゃったんですけど、凄く強い選手で警戒して動けませんでした。ストレスが溜まっているんですが、ビビアーノ選手は噛み合うかもしれない可能性がある相手なので、一本極めたいと思います。賞金とかあると助かっちゃう時期なので、よろしくお願いします。(ビビアーノとは対戦したかったのか?)黒帯中の黒帯という印象。どれぐらいのモノを持っているのか体感したいです。(どう対抗するのか?)自分のやっていることを出せれば」

■山本“KID”徳郁
「試合は1年半ぶりぐらいだと思うんですけど、早くやりたくてしょうがないっすね。楽しみたいというか、万全にして前回のように何日か前にケガしないように試合に向けて頑張ります。(ウォーレンの印象は?)やっぱ、世界選手権に優勝したということは、それが夢じゃないけれども凄いこと。全日本で優勝するのも凄いと思っていたから、どんだけ力持ってんのか、組んでみたら分かると思う。ただ、それ以前に相手のことよりも自分のことをしっかりとやらないと。自分さえしっかりやっていれば、相手も気にならない」

【会見には出席しなかったフェザー級GP2回戦進出選手のコメント】

■ジョー・ウォーレン
「1回戦で元WEC王者のチェイス・ビービと闘う前に、ほとんどの人は『チェイスの楽勝さ』と思ったことだろう。でも結果はどうだい? アッと驚くことが起こるのがMMAなのさ。次の2回戦もきっと同じことが起こるだろう。いや、起こしてみせる。KIDは日本でも有名で、レスリングベースの実力のある選手だと思うけど、レスリングでいえば、化け物揃いの全米や世界選手権で結果を残してきた僕から見たら、全然さ。きっと僕の気迫とパワーの前に驚くことになるだろう。もう一度言おう。MMAは何が起こるか分からない。そして僕には何かを起こす力がある」

■所英男
「今回、DJ選手のドクターストップにより、敗者である自分が2回戦に出場することになりました。敗者として、2回戦出場をするか何度も考えたのですが、これも神様が与えてくれたチャンスだと思い、本日、トーナメント2回戦出場を決めました。自分の格闘技人生にとって“ラストチャンス”だと思います。先日行われたWBCでの“侍ジャパン”のように、逆転を目指したいと思います。本日は、記者会見を欠席して、このようなコメントになりまして申し訳ございません。これまでの格闘技人生の全てをかけて、エイブル・カラム選手と闘います」

■エイブル・カラム
「ハロージャパン! DREAMに初参戦して、おまけに勝利を飾り2回戦に進めることができて、凄く嬉しい。フェザー級のベルトを獲ることが目標だけど、それ以上にファンが喜んでくれるような試合をすることが大事だと思っている。つまり、『ファンを喜ばせてナンボだ』ってことさ。対戦相手のトコロもハートが強いと思うけれど、僕は絶対に負けない。KOTCと故郷のニューメキシコを代表して、素晴らしい試合をお見せするよ!」

■高谷裕之
「自分らしい試合をするだけです!!」

■ビビアーノ・フェルナンデス
「私が欲しいのは『世界一の証』。それはDREAMのベルトだと思っている。自分の可能性を信じて、100%の能力を出せば、自ずとその証を手に入れることができるだろう。2回戦の相手のイマナリは、非常に危険な相手だと思うが、それはイマナリにとっても同じこと。柔術で培ったテクニックと、進化したボクシングテクニックを全てだし、スリリングでエキサイティングな試合をお見せしたいと思う」

【山本“KID”徳郁の囲み会見の模様】
──負傷箇所に関しては不安はないですか?
KID 不安はないですね。まあ、気を付けていれば大丈夫だろうと。
──過去、これだけブランクの空いたのは……?
KID ないですね。時間が経つのは早いなと。(試合が)楽しみっすね!
──『DREAM.7』のフェザー級GP1回戦を見て、やっぱり自分がいないと盛り上がらないとは思いませんでしたか?
KID あまり気にしてなかったですね。この1年半(試合を)やってなくても、オレは一般のファンじゃないから、常に毎回見ていて面白かった。ただ、周りが「盛り上がってない」とか言ってるんで、それを考えると、盛り上がってなかったのかなと思っちゃう。ならば、オレが出て盛り上がればいいな。そのために出るというのもある。
──出場選手のほとんどがKID選手と闘ってみたいと発言していますが、この状況については?
KID あんま気にしてない。よく言われるけど、いずれやるもんでしょ。お互い勝っていけば。まあ、オレの名前を使ってくれれば光栄だなと。
──怪我してる間に新しく見えたものはありましたか?
KID 肉体的には、リハビリとかやってて自分の弱い部分、強くなった部分は見えた。あと、お医者さんって凄いなって思ったっす。ここまで戻してくれたから。リハビリはキツかったけど、いい経験になったっす。
──フェザー級(63キロ)だとKID選手の通常体重よりも重いと思いますが?
KID 今、体デカくしてる。で、体重差の不安はなくなった。でも、70でやってた頃のほうがスリルはあったね。
──会見ではウォーレン選手について「どれだけ力があるのかな」とおっしゃっていましたが、組んでみたいですか?
KID フッフフフ! そりゃああっちのほうが力があると思うけど、組んでも大丈夫……かな?(笑)。
──魔裟斗選手が引退を表明しましたけど、その一報を聞いたときはどんなことを思いましたか?
KID ほんと、「ご苦労様」ということだよね。ハードな試合ばっかしてきたから、体を休めてほしい。
──7月の魔裟斗選手の対戦相手に名乗りを挙げたりは?
KID オレ?(笑)。呑んでても言われるんだよなぁ、街の人に(笑)。それは考えてないです、まったく。そんなことを考えてる暇があったら、トーナメントのことを考えなきゃいけないし、今はトーナメントのことしか頭にないです。
──魔裟斗選手が引退して、KID選手に格闘技界における期待の比重が大きくなると思いますが?
KID でも、面白い選手は出てきていると思うんで。オレ一人で盛り上げるのは、やっぱり限界があるから。みんなで盛り上げたほうが楽だし(笑)。

【前田吉朗の囲み会見の模様】
──今日は高谷選手と顔を合わせると思っていたんですか?
前田 合わせると思っていましたね。
──高谷選手の印象は?
前田 “喧嘩番長”ですね、はい。番長の試合は全部、凄いですから、尊敬する部分が凄いあるんですよ。
──ファイトスタイルとして自分と通じる部分はありますか?
前田 どうなんすかねぇ? それはちょっと分からないですね。
──WECへの参戦時期が被っていますよね?
前田 そのときは自分のことでいっぱいいっぱいでしたからね。喋ったりもしましたけど。トレーナーの山田さんとは結構いろいろ喋りました。
──『DREAM.7』の一夜明け会見ではエイブル・カラム選手との対戦を表明していましたけど、相手が高谷選手と決まったときはどう思いましたか?
前田 最初はボクも8割方、エイブルだと思っていたんですけど、相手が番長だって聞かされたときはビビリましたね(笑)。正直、ビビリました。「うわぁ〜、喧嘩番長来たよ、これ」みたいな(笑)。久しぶりに対戦相手が怖いなと感じましたね。
──前回の試合で反省した部分はありますか?
前田 なんっにも反省してないです。なんっにも。緊張したから仕方ないという結論で、はい。

【今成正和の囲み会見の模様】
──先程、お金が必要だというお話をされていましたが?
今成 そうですね。おむつ代とか。
──お子さんはいくつ?
今成 1歳半です。
──家計的にも勝たなきゃいけないということですか?
今成 う〜ん、まあそうですね(笑)。
──ビビアーノ選手の1回戦の試合はどう見ましたか?
今成 う〜ん、わりと安全にいっていましたね。
──逆に自分の1回戦はストレスが溜まっているということだったが、反省点は?
今成 足にいかなかったということですかね。
──それは警戒していけなかった?
今成 警戒というか、そういう流れになったというか。
──それを踏まえて今回は?
今成 いきます。
──周りからは足(関節を獲り)にいくことを期待されていると思いますが?
今成 そうっすね。(期待に)応えたいですね。
──一本獲れる自信は?
今成 半々ぐらい。
──極めるイメージはあるのか?
今成 なんとなく……。

【笹原EP&谷川EPの囲み会見の模様】
──マッチメイクの狙いは?
笹原 当然、いろんなアイデアが出たんですけど、一つはKID選手が誰とやると面白そうかというところから。元々、KID選手は今回フェザーに出てきた大きな動機として、WECのチェイス・ビービ選手というのがあったんですね。で、チェイス選手が出て来るトーナメントに出たいという気持ちがあった中で、チェイス選手に勝っているウォーレン選手。同じレスリングベースで、力もあるし殴ってもくるし、面白い試合になるんじゃないかと。そこから全体を考えました。日本人の前田選手と高谷選手というのは二人とも打撃が得意なので、一つ日本人対決があっても面白いかなというのがあって。今成選手とビビアーノ選手は、お互いにグラウンドの得意なので、獲るか獲られるかという試合になるんじゃないかっていうところで。
谷川 みんな噛み合う試合を考えました。フェザー級GPだけでなく豪華メンバーを出します。過去最高ぐらいのいいメンバー出ますよ。大晦日並みのメンバーが出ると思います。
──試合数の予定は?
笹原 10試合ぐらいですね。で、4試合はフェザー。あとはワンマッチですね。一つ考えているのが、超ド級の世間がアッと驚くカードです。
谷川 ワンマッチも凄い試合です。タイトルマッチ級のカードになると思います。本当に勝負を懸けた大会なると思います。チケットに関してですが、当面は世の中に合わせて安くやっていこうかなと。ファイトマネーが下がるわけじゃないですから、僕らは凄くきつくなるんですけどね(苦笑)。新幹線代とグッズを買えるぐらいは安くなると思います。
笹原 新幹線も東京から(新横浜まで)往復2,000円ぐらいですからね。
──料金の設定の理由は?
谷川 買いやすい値段ですね。
笹原 もちろん、全体のガジェットがあってチケット料金は算出しているんですけど、まずは買いやすさです。
──今回の反応を見て、調整みたいなことも?
谷川 そうですね。やっぱり、赤字になって続かなくなることだけは避けたいので。安くしてたくさん入ってくれるなら、ドンドン安くなっていくと思います。
──超ド級の試合とは?
谷川 楽しみにしていてください(笑)。
笹原 本当に凄いですよね?
谷川 凄い、凄い。
笹原 メンバーも凄いですよ。その超ド級のやつがあって、それは本当に格闘技を見たことがない人でも楽しめるようなもの。かたや、フェザー級みたいな勝負論プラス、ワンマッチではタイトルマッチ級の試合がある、と。いろんなモノが楽しめる大会です。
──視聴率はどのぐらいを見込んでいるんですか?
谷川 15%は獲りたいですね。今、15%獲ったら凄い時代。総合格闘技も巻き返したいと思います。秘密兵器のカードは来週、笹原プロデューサーから発表されます。
笹原 ビビってたじろぐカードです(笑)。

【2009年DREAM大会スケジュール】
■『DREAM.10 ウェルター級GP 決勝戦』
・日時:7月20日(月・祝)
・場所:さいたまスーパーアリーナ
■『DREAM.11 フェザー級GP 決勝戦』
・9月 関東会場
■『DREAM.12』
・10月 関西会場
■『Dynamite!!』
・日時:12月31日(木・大晦日)
・場所:さいたまスーパーアリーナ