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2009年4月1日

祝☆DREAM名古屋初進出! 『DREAM.8』開催直前スペシャル!!
「そうだ、名古屋へ行こう!」座談会【前編】

3月某日、DREAM名古屋初進出となる4・5『OLYMPIA DREAM.8 ウェルター級グランプリ2009 開幕戦』(日本ガイシホール)開催を目前に控え、オフィシャルサイト特別企画、DREAM首脳陣による「そうだ、名古屋へ行こう!」座談会が行われた。“名古屋”というキーワードを軸に、名古屋と格闘技の関連性、『DREAM.8』オススメ密航プランなどなど、テーマは多岐に。また、『DREAM.8』でミノワマンと対戦する柴田勝頼も特別ゲストとして参加し、ミノワマンvs柴田の見どころついても熱く語りあった。「そうだ、名古屋へ行こう!」座談会【前編】! スタート!!

◎出席者:笹原圭一(DREAMイベント・プロデューサー)、佐伯繁(DREAM広報/DEEP代表)、佐藤大輔(DREAM映像制作/佐藤映像代表)
◎ゲスト:柴田勝頼(ARMS)

■「名古屋と言えば、新日本プロレス!」(佐伯)

──DREAM名古屋初進出となる『DREAM.8』開催直前ということで、今回は“名古屋”をテーマにあれこれと語っていただきたいと思います。
笹原 ちなみに、私と佐伯さんは愛知県出身。そして、柴田選手は愛知のお隣の三重県出身ですね。
佐伯 名古屋のグルメは任せてよ! 名古屋はおいしい食べ物がいっぱいあるからね。『矢場とん』とかさぁ。
──やばと……? やばとう? なんですか?
笹原 『矢場とん(やばとん)』という有名な味噌カツ屋さんがあるんですよ。化粧まわしを着けた佐伯さんがマスコットとしてお店の看板になっているんですけどね。
佐伯 そうそう、ブヒブヒ~! ……って、看板のマスコットは豚だがや!
──おぉ、ノリツッコミ(笑)。
佐伯 まあでも、食べ物もおいしいけど、名古屋と言えば、新日本プロレスなんだよね。間違いなく!
──と言いますと?
笹原 共同企画さんという名古屋のプロモーションがあるんですけど、そこが新日本の名古屋大会で凄く影響力を持っているんで、いつも名古屋ではビッグマッチが組まれているんですよ。
佐藤 へぇ~。ライオン印出身の方からすると、それは本当の話なんですか?
柴田 本当です。ポイントとなるデカい試合は名古屋が多かったですね。
笹原 過去、新日本の名古屋大会では、ヘタしたら大阪よりもいいカードが組まれていましたもんね。
佐伯 例えば、アントニオ猪木vsアンドレ・ザ・ジャイアント、橋本真也vs武藤敬司とかさ。ほんと、新日本の名古屋は凄い盛り上がるんだよね。
佐藤 名古屋は新日本の“隠れメッカ”なんだ。
笹原 だから、愛知、並びに愛知周辺の岐阜や三重などは新日本から多大な薫陶を受けているんで、元々、プロレスや格闘技の理解度が高いと思います。
佐藤 なるほどね。だからその薫陶を受けて、谷川さんはじめ創り手側もたくさん輩出されてるんですね。
笹原 物心付いたときに見ていたプロレスは、間違いなく新日本でしたね。

■「名古屋ベンチャーはまだまだ元気だってことを、今度の『DREAM.8』では見せたいです」(笹原)

──その新日本の薫陶を受け、実際に新日本のレスラーとして活躍した柴田選手も、日本でのMMAデビュー戦は名古屋。ちょうど2年前、場所も同じ、07年3月のHERO'S名古屋レインボーホール大会でした。
笹原 HERO'Sのデビュー戦のときってどんな感じだったんですか?
柴田 レインボー(※名古屋レインボーホール。現・日本ガイシホール)は知っている会場だったんで使い勝手はよかったですね、トイレの紙とか(笑)。
笹原 ハッハハハ!
──ど、どういうことですか?
柴田 ロール状のトイレットペーパーじゃなくて、ペラッとした一枚の紙が何枚も置いてあるんですよ。
佐藤 ああ、丁寧なんだか分からない、あれね(笑)。あれも実に名古屋っぽいなぁ(笑)。
──今、“名古屋っぽい”という言葉が出ましたけど、名古屋人の気質ってどういった感じなんですかね?
佐藤 「名古屋の人は取っつきにくい」と言う人もいますけど、実はホスピタリティというか、“もてなし”の心に溢れてないですか? ボクはそう思うんですよ。仲間になったら、とことん仲間というか。
笹原 おっしゃるとおり、愛知県人は身内意識は強いと言われますね。逆に、身内になるまでは結構排他的というか、取っつきにくいかもしれませんね(笑)。
佐伯 でも、身内意識が強いからといって、他の影響を受けにくいかと言ったらそうじゃない。名古屋は大阪の番組も入るから大阪の影響もあるし、もちろん東京の影響も受ける。
笹原 だからかどうかは分からないんですけど、他の都市に比べ、「名古屋が一番!」という潜在意識は、相当あるような気がしますね。
佐伯 だから東京に出ることに対して、自分を卑下することもない。それはなぜかと言うと、中途半端に自分は都会人だと思っているから(笑)。だから名古屋の人は、最初東京に来たうちは、周りから「あいつ、ツンとしてるなぁ……」って思われた人も多いと思うよ(笑)。
佐藤 それ分かるな! 自分も中途半端な立川市民ですから(笑)。でも、名古屋って凄いですよね。一時期、凄く景気が良かったじゃないですか。いわゆる“失われた10年”と言われていた日本が、あの時期、名古屋だけは一切不況がなかったという。
笹原 TOYOTAを中心によかったですね。「名古屋経済、繁栄の秘密」とかって、テレビとか雑誌でもよく特集されたりしてました。
佐藤 名古屋にいろいろ景気のいい産業があった中で、その一つが格闘技だったような気がするんですよね。
笹原 うまいこと言いますねぇ、また(笑)。
佐藤 いや、ほんとにほんとに。PRIDEはナイスベンチャーな感じがするじゃないですか。ねえ?
──確かに、新日本イズムと総合格闘技を融合させ、それまでにないものを提供したベンチャーでしたね。
佐藤 そして何が素晴らしいかって、その志がしっかり残っているんことですよね。また一から元気に組み立て直しているのがDREAMなわけですから。
笹原 名古屋ベンチャーはまだまだ元気だってことを、今度の『DREAM.8』では見せたいですね。それによってまた名古屋が盛り上がればいいなと思います。

■「“プロレスラー”とは、見る人たちとつながっているという意識が明快にある人」(佐藤)

佐伯 さっきから度々、“新日本プロレス”というのが一つのキーワードとして出ているけど、その新日本出身の柴田さんに一つ聞いてみたいんです。
柴田 はい。
佐伯 柴田さんの考えるプロレスラーって何ですか?
佐藤 今回、ミノワマンvs柴田を見る上でこれは大きなテーマだね!
柴田 そうですねぇ……。今、DREAMでやっているのもプロレスだと思いますし、自分もプロレスラーだと思ってDREAMで闘っています。多分、ミノワマンもそうだと思うんですけど、自分は、自分の中で「こういうレスラーがいたらいいな」という理想像を追求するのがプロレスラーだと考えてます。
佐伯 うんうん、なるほどね。で、僕の考えを言わせてもらうと、結局、プロレスでも格闘技でも、興行においてプロ意識のある選手を“プロレスラー”という認識なんですよ。
佐藤 お客さんを喜ばせて帰すというね。
佐伯 そう。そういう意味で、PRIDEもそうだったけど、僕もDEEPの旗揚げ当初は実際のプロレスラーを使っていた。プロレスラーというのは、ファンの感情を大きく揺さぶるんだよね。だって、高田(延彦)さんがヒクソン(・グレイシー)に負けたとき(※①)もそうだったけど、「プロレスラーがガチンコで負ける」ってのは本当にショックだったじゃん。
柴田 そうですね。石澤(常光)さんがPRIDEでハイアン(・グレイシー)に負けたとき(※②)、僕も見に行ったんですけど泣きました。
佐藤 あれもいい勝負だったね!
佐伯 凄く感情を揺さぶられたじゃん。結果だけ出て帰りにはもう忘れてるってんじゃなくて、お客さんを凄く喜ばせたり凄く悲しませたり、見る人の感情に何かを残す試合をする。プロレスでも格闘技でも、それをできるのが“プロレスラー”なんだと思うんですよ。でも、今の時代は違うんだよね。見方が完全に違う。
佐藤 ここ3~4年で一気に変わりましたよね。ファンも選手も、もうそういう考え方は少ないんじゃないかな。でも、やっぱりボクなんかは、格闘技でもそういう“プロレスラー”を見たい。ボクのイメージでは、“プロレスラー”=アントニオ猪木なんですよ。だから、そういう意味では、イチローも秋山成勲も“プロレスラー”にしか見えない。世間のアジり方とか、表情とか、見栄の切り方とか、引き寄せる運であるとかね。だから、見る人によってそれが正しいかどうかはあるけど「“プロレスラー”とは、見る人たちとつながっているという意識が明快にある」ってことだと思う。要するに、会場を沸かせて、世間を躍らせることができる人達ってことですよね。そういう“プロレスラー”の試合は面白いじゃないですか。で、柴田さんはその意識があると思う。所英男からもそういうのを感じるなぁ。
笹原 そうそう。所選手は、格闘家の仮面を被っていますけど、ハートは“プロレスラー”ですよね。
佐伯 応援する選手が喜べば自分も喜ぶし、選手が悲しめば悲しむ。その度合いはビッグマッチになるほど、当然大きくなるよね。高田さんが武藤さんに負けたときは、泣いて帰れなかったもん。「どうしよう……?」って思って。ここでまた名古屋に話を戻すと、そういうビッグマッチを名古屋人はたくさん見てきている。
──そのようなビッグマッチをたくさん見て悲喜こもごも感じた名古屋人が、PRIDEやDREAM、K-1を生み出しているというのはうなずけますね。
笹原 確かに、名古屋でそういうビッグマッチというか名勝負をたくさん見てきましたね。
佐藤 格闘技でもいっぱいありますよ。K-1のフグvsフィリォ(※③)もそうでしょ。
佐伯 田村vsパトスミとかね。
佐藤 田村潔司vsパトリック・スミス(※④)も名古屋だ! PRIDEを作ったのも名古屋人ですし、言っちゃえば、名古屋は格闘技の首都なんだね!
【「そうだ、名古屋へ行こう!」座談会・後編に続く!! ※後編は、4月2日(木)更新予定です】

※①……高田延彦vsヒクソン・グレイシー。97年10月の『PRIDE.1』東京ドーム大会で実現した世紀の一戦。プロレスファン・関係者からの期待を一身に受けヒクソンと対峙した高田だったが、1R4分47秒、ヒクソンの腕ひしぎで一本負けを喫した。
※②……石澤常光vsハイアン・グレイシー。00年8月の『PRIDE.10』西武ドーム大会で実現。新日本プロレス所属として初めてPRIDEのリングに上がった石澤だったが、ハイアンのパンチ連打の前に敗れる。
※③……アンディ・フグvsフランシスコ・フィリォ。97年7月のK-1ナゴヤドーム大会で実現。K-1初参戦となった極真空手のフィリォが、前年度K-1GP王者のフグを、まさに“一撃”、右フック一発で失神KOした一戦。
※④……田村潔司vsパトリック・スミス。95年12月のK-1名古屋レインボーホール大会で実現。アルティメット特別ルールで行われたこの一戦は、田村がヒールホールドで勝利した。