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2008年12月8日

「勇気を出して一歩、踏み出していこうと覚悟を決めた」
川尻達也インタビュー

12・31『FieLDS Dynamite!! 〜勇気のチカラ 2008〜』(さいたまスーパーアリーナ)への出場が決定した川尻達也にインタビュー。武田幸三を相手に初のK-1ルールに挑む川尻が熱く意気込みを語った。

■「ルールとかなんだとか、そういうことを言い訳にしたくない」

──大晦日の『Dynamite!!』に出場が決まりましたね。
川尻 なんすかね〜。いよいよ今年も終わりだなと(笑)。
──意外と緊張はないようですね。
川尻 今回で3年目ですからね。『男祭り』、『やれんのか!』、『Dynamite!!』と渡り歩いてきました。
──大晦日に試合をすることにも慣れたと。
川尻 格闘技にとって特別な日ですし、年間を通して一番のビッグイベントです。それに出させてもらえるのは光栄です。この一年、頑張ってきたことを認めてもらえたのかなって思ってます。
──そして相手は武田幸三選手に決定しました。
川尻 いや、驚きました。自分のなかで考えていた予想外の相手でしたからね。すごく偉大なキックボクサーです。
──しかもK-1ルールでの対戦になります。
川尻 それは聞いていました。やってやろうかなって感じですね。
──ですが、“クラッシャー”の持ち味であるパウンドが放てないのは不利なのでは?
川尻 もちろん相手は打撃の専門家で、僕は総合格闘家。持っている武器は半分以下でしょう。それでも自分のなかでやってやろうって覚悟があります。ルールとかなんだとか、そういうことを言い訳にしたくありません。男と男の勝負ができたらいいですね。
──武器が少なくても向かって行くと。
川尻 向こうはこれで飯を食ってる人ですから、僕が簡単に勝てるかっていったら勝てないと思うし、ボロボロになる可能性も高いと思います。けど、それでも勇気を出して一歩、踏み出していこうと覚悟を決めたんです。だから、あとは武田幸三っていう男に向かって行くだけですね。

■「あの人の生き様を見たら絶対にリスペクトする」

──これまで総合からK-1に参戦した選手は多いですが、自分はどのような試合を見せたいですか?
川尻 山本“KID”徳郁選手とか須藤元気選手みたいな閃きや天才的な動きは僕にはできません。僕にできるのは、相手を全力で倒しに行くことだけです。ルールは違うけど、気持ちもスタイルもいつも通りで相手に向かいたいですね。
──KID選手は、「俺は格闘技の神の子」と発言して定着しましたが、川尻選手はいかがですか?
川尻 僕は普通の子ですね。テレビを観ている人たちと同じ人生を歩んでいて、たまたま格闘技が好きで趣味で始めて……スタートは普通の人と一緒なんですよ。特別な才能はないので、そういった普通の人間がどこまで闘えるのか? そういう勇気を観てもらえたら嬉しいですね。
──なにか秘策はありますか?
川尻 それなりに攻める場所はあると思うんです。それを突き詰めていくしかない。本当にワンチャンスをものにする練習をするしかないですね。
──やはり打ち合いが理想ですか。
川尻 そうですね。パンチで打ち合ってきてくれたら面白い試合ができると思います。だって、僕にはパンチしかないですから。僕がパンチで相手の意識を絶つか、向こうのローキックで僕の足が折れるか、という闘いになると思います。
──武田選手の印象はいかがですか?
川尻 侍みたいな感じです。同じ格闘技をやっている人間として、あの人の生き様を見たら絶対にリスペクトするでしょうね。すごい選手だと思います。
──試合内容も強烈ですからね。
川尻 あのローキックですよね。自分の骨が削れるくらいローキックを蹴り込んでくるってイメージです。もちろんパンチも素晴らしいですけど、一番はローキックですね。
──ローキックに耐えられるかがポイントですか?
川尻 気をつけても多分、耐えられないと思います(笑)。実際、5発食らったら立てないでしょうね。その前に倒すしかないです。僕が勝つとしたら、それしか道がない。
──武田選手はK-1のトップファイターですからね。
川尻 じつは、僕が格闘技に興味を持ったキッカケが、93年の第1回K-1WGPを観たことなんです。そういう意味では原点です。とくにMAXの選手は同じ階級で日本人も多いですからね。すごく刺激されるし、悔しいとも思うし……いい関係というか、僕のなかでは目標になっています。
──K-1ルール初挑戦も、何かの因果かもしれませんね。
川尻 もしかしたらボロボロにされて……骨が折れることもあるかもしれません。でも、絶対に心だけは折れないし、折れた姿をみんなに見せたくない。僕なりの勇気を見せられればと思ってますね。僕が武田さんに挑戦することで、一人でも二人でも勇気をもらえる人がいるのであれば、無謀かもしれないけどK-1ルールに挑む意味があると思います。
──男気ですね。では、最後に意気込みをお願いします。
川尻 少ないチャンスかもしれないけど、無謀かもしれないけど、一歩を踏み出すことに意味があると思うんです。全力で相手に向かって行って、倒しに行きたいと思います。