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2008年7月22日

7・21『DREAM.5』大阪城ホール大会
出場ファイターの試合後のコメント PART.6

熱戦が続いた7・21『HEIWA DREAM.5 ライト級グランプリ 2008 決勝戦』(大阪城ホール)。激闘を終えたファイター達の試合後のコメントをお届けする。

■青木真也「正々堂々、青木真也第2歩を歩みたいと思います」

──お疲れ様でした。
青木 あざっす!
──最後は残念な結果に終わってしまいましたけど。
青木 うん。結果的には負けたんですけど、これをね、残念な結果にするか、「青木、あそこで負けておいて良かったじゃん!」って結果にするかは僕次第だと思ってますから。この負けを受け止めて、正々堂々、青木真也第2歩を歩みたいと思います。
──最後、左のパウンドをもらった前になにかを狙って動いたように見えたのですが。
青木 宇野戦で疲れてたので足がきかなかったんで、あれはくぐろうとしたのを殴られたんですね。「あ、やべ」と思ったら殴られちゃって。
──宇野選手の印象をあらためて教えてください。
青木 やっぱり偉大なファイターでして、今日僕にとっては決勝がおまけだったのかもしれないくらい大きな試合でした。すべてをあの試合で出し切りました。そして足、カラダがパンパンでした。やっぱり、「強いな」「凄いじゃん!」って。だから素直に、僕は宇野選手のことをとやかく言ったことないですけど、素直に強いなと感じました。
──以前にもハンセンと闘ってますが、今回闘ってみて感触はどうでしたか?
青木 正直、ハンセンがどうこうじゃなくて、疲れたっすね。宇野戦の1Rが終わった時点で「もうええわ」っていうのがあったんで、それがすべてだったのかもしれない。宇野薫という選手が、今日の僕にとってすべてだったのかもしれません。
──今後、トーナメント形式の試合にまた出たいと思いますか?
青木 あのねえ、俺にとって出たいか、出たくないかじゃないんですよ。出るんです!
──準決勝が終わって、決勝までにどこまで肉体的、精神的に回復できたんですか?
青木  肉体的には疲れはありました。でもそれは負けた理由ではないし、ハンセン選手が素晴らしいことは確かです。精神的なことは分かりません。そこで作り直したつもりです。
──決勝の相手が変更になったことには?
青木 ハンセン選手とアルバレス選手の消耗具合をお互い見ても、僕も宇野戦で消耗してるし、彼らも消耗して、フェアっちゃフェアなんですよね。難しいですよね、大人は。
──カルバンとハンセン、どっちのパウンドが強かったですか?
青木 難しいですね。試合の状況が違いますからね。カルバンも素晴らしかったし、ハンセンもそれに劣らず素晴らしい選手だと思っています。
──今回のトーナメントで一番印象に残っている試合は?
青木 ひとつひとつが印象的だったんですけど、やっぱ一発目のDREAMでああいう結果に終わったあとに問われた僕の人間力、だと思います。

■ヨアキム・ハンセン「正直言って、非常におかしな気分ですね」

──今の気分を聞かせてください。
ハンセン 正直言って、非常におかしな気分ですね。ブラックマンバと闘うために来て、その試合に勝つことだけを考えてたので、そのあとのことは何のプランもなかったですから。もちろん、嬉しいですけど。
──自分が決勝戦に出られることは全然考えてなかったですか?
ハンセン もちろん、トーナメントに参加した時点では考えてましたが、アルバレスに負けてその夢はなくなりました。ですが、今回リザーブマッチに選ばれて、もしこの試合に勝って、そしてファイナリストが怪我をするようなことがあればそんな機会もあるなとは思っていました。
──決勝の青木戦では何度かレフェリーから「コーション」が出てましたが、それは気になりませんでしたか?
ハンセン 脊椎部分へのキックが入ってしまったということで、もちろん故意ではないんですけど、それについての警告ということで。自分としては脊椎の横あたりだったと思うのですが、その警告に対してイライラしたりは特にしませんでした。 
──戦前はやはりブラックマンバ戦の準備だけでしたか?
ハンセン そうですね。自分は一度にふたつのことは出来ないもので、今回はブラックマンバ戦だけを考えていました。
──主催者側から決勝進出を告げられたときの心境は?
ハンセン 完全にリラックスした状態で、そのときはチームメイトと決勝戦の予想をしてました。でも、告げられて気持ちを切り替えました。
──青木選手はあなたのどの攻撃が致命的だったと思いますか?
ハンセン 自分が上にいて下から青木が蹴りを入れてきましたが、それがいい蹴りだったので、スキを見つけようと集中していました。そのスキをうまく見つけてタイミング良くパンチを入れることができた、それだと思います。
──過去に一度、青木選手に負けてますが、苦手意識はなかったですか?
ハンセン 青木のラバーガードが苦手だと思ってましたが、それについては試合前にトレーナーから指導を受けました。その言われた通りにしたら、うまく功を奏したと思います。

■笹原圭一イベント・プロデューサーの大会総括

笹原 大会が始まるまでは本当にいろんなことがあって、今日この日を迎えれば決着は付くんだろうなと思っていたんですが、まさかこういう結末が待っているとは本当に思いませんでした。神様の描くシナリオは読めないなというか、本当にビックリしているというのが正直な気持ちです。勝ったヨアキム選手は、リザーバーからの勝ち上がりでしたが、初代チャンピオンとして非常に相応しい選手じゃないかなと思います。ライト級で敗れた選手は、本当に紙一重だと思います。わずかな差で勝利の女神は微笑んでくれるんだなと、改めて実感しました。例えば、川尻選手で言えば、すごくチャンスもあったと思うんですが、最終的には敗北を喫しました。勝ったエディ選手も川尻選手の猛攻のために目を負傷して出られなかったりしました。記者の方にいろいろ予想していただいたのですが、ヨアキム選手の優勝を予想された方は誰もいなかったので、すごい結末が待っていたなと思います。ヨアキム選手以外のライト級の選手の皆さん、リング上で涙を流していました。宇野選手は入場のときに涙を流し、川尻選手は最後のマイクで涙を流し、エディ選手は決勝戦に出られずに悔し涙を流したりとかですね、それぞれ涙の意味は違うのかもしれませんけど、思わず涙が流れてしまうほど過酷なグランプリだったんだなと思います。今後、ヨアキム選手、青木選手、エディ選手、宇野選手、川尻選手、そしてJ.Z.カルバン選手もいますし石田選手もいますし、ここらへんの6~7名をちょっとシャッフルするだけでも相当興味深いカードが並ぶと思いますので、この先、例えば年末とかで3つぐらい面白いカードがあっさり組めちゃうんじゃないかと思います。ライト級以外で言いますと、秋山選手は地元・大阪でどんなお客様の反応があるのか楽しみにしていたんですけど、非常に大きなブーイングは起こったんですが、試合内容としては本当に素晴らしかったというか、タフですよね。そのタフさを改めて実感しました。柴田選手も善戦したと思うんですが、秋山選手のほうが一枚も二枚も上手だったというか、そういう感じがしました。「恐るべし!」と改めて思いました。それ以外に、所選手の試合だったり、中村選手の試合だったり、弘中選手の試合だったり、それぞれ見どころがあったと思います。今回、ここ大阪で初めてDREAMをやらせていただいたんですが、この熱があれば、また次回、来年になるとは思うのですが、大阪でやる際の弾みになったんじゃないかなと思います。
──日本以外のDREAM開催は?
笹原 前にもちょっとお話ししたかもしれないんですけど、現時点では考えていません。特にアメリカに関しては、構想の中には入ってないです。今回大阪で初めてやったんですが、まずは国内でDREAMの認知度を上げるというか、まずは熱を日本国内で作っていけたらなと思います。
──エメリヤーエンコ・ヒョードルを上げたいという気持ちは?
笹原 ヒョードル選手は先日、圧勝しましたので、おそらくアメリカの中でも知名度が上がっていると思うんですけど、彼は毎年、年末はずっと日本で試合をしていますので、これは決定ではないですけど、我々が多分行うであろう年末のイベントにはぜひ出ていただきたいなという思いはあります。
──秋山選手が「田村選手とやってみたい」と発言していましたが?
笹原 興味深いカードだとは思います。カテゴリー的にも合ってはいますからね。ただ、これは私の個人的に思いなんですけど、階級を超えて闘ってもいいんじゃないかなってくらい、秋山選手からは強さを感じるんです。日本人は重たいクラスではなかなか活躍できない現状があるんですけど、秋山選手はそういう可能性もあるんじゃないかなと、個人的に期待しております。
──今大会のMVPは?
笹原 ヨアキム選手ですね。見事優勝しましたので、彼以外はいないと思います。